日本初(?)有罪率99.9%の刑事裁判で〝二度も〟無罪判決を勝ち取った男のブログ!

過去、二度も刑事裁判の被告人として法廷に立たされるも、自力で反証、反駁をし二度も無罪判決を勝ち取る!そんな私が、あらゆる事を綴る!

ハズレ馬券は経費。



 こんにちは

 今日も、夏日のようで暑いですね

 でも、夜になるとまだ寒いので、服のチョイスが難しい今日この頃です


 昨日は、心神喪失で無罪、と言うテーマでお話しました

 法律上は、心神喪失者は無罪となっていますが、事実上は殆ど認められないのが現状です

 尤も、そんなにポンポン心神喪失が認められていたら、世の中おかしくなるでしょう


 さて、今日も、最近の話題をお話します

 先日、朝日新聞の記事で、非常にしっくり来る記事があったので取り上げます


 (私の視点)公営ギャンブル 公平で明確な課税制度を 中村和洋


 インターネットを利用して大量の馬券を購入していた男性が所得税法違反(無申告犯)に問われた事件について、最高裁は3月、はずれ馬券の購入費も所得税法上の必要経費に該当するとの判決を下した。

 私はこの事件の主任弁護人を務めたが、国民の常識に沿った妥当な判断だ。
 
 従来、国税庁は、馬券の払戻金による収入は、偶然得た所得として「一時所得」に該当すると通達に定め、的中馬券の購入費以外は必要経費には該当せず、所得から控除できないとしていた。

 これに対して最高裁は、本件はインターネットを介して長期間、多数回にわたって馬券を購入し、多額の利益を恒常的に上げていたことなどからすると、「営利を目的とする継続的行為」となり、「雑所得」に該当するとした。

 その上で、一連の馬券の購入は一体的な経済活動の実態を有するため、はずれ馬券の購入費もすべて必要経費に該当すると判断したのである。
 
 これにより、国税庁は本件のような取引については例外として特例をもうけるものとし、通達を改正する方向を打ち出している。

 要するに、一般の馬券の払戻金については、従来どおり一時所得として的中馬券のみが必要経費となるものとし、今回の男性のように大量の取引をしていた場合に限って、雑所得としてはずれ馬券も必要経費に該当するものと定めるようである。
 
 しかし、どの程度に至れば継続的な取引になるのか、両者を区別することは実は困難である。単なる通達の改正ではなく、法令の改正により抜本的に制度を見直す必要がある。
 
 そもそも競馬の売り上げのうち、1割は国庫に入るとされており、払戻金から更に税を負担させるのは、実質的な二重課税であるとの指摘がなされている。

 諸外国でも、アメリカ合衆国でははずれ馬券の購入費も払戻金の額に達するまでは必要経費として算入されるものとされており、フランスでは、馬券購入時に定率(3・8%)の税が課せられるだけで、その他に税負担はない。
 
 さらに、インターネット取引ではなく、窓口で馬券を購入した者については履歴が残らないので所得が捕捉されにくく、公平な税負担を実施することは困難である。

 実際、馬券で払戻金を得た人に確定申告を期待することは、非現実的だろう。
 
 我が国でも宝くじについては、非課税とされている。

 競馬など公営ギャンブルも同様に考えてよいのではないか。

 仮に税負担をさせる場合でも、例えば払戻時に数%程度の源泉分離課税を行うことが簡明である。
 
 国は、国民に対して、わかりやすく、かつ公平な課税制度を構築する責任がある。

 今回の最高裁判決を機に、不透明であった公営ギャンブルの課税について、国税庁は明確な制度設計をすべきであると考える。
 (なかむらかずひろ 弁護士)



 と言う記事なのですが、皆さんは競馬はやりますか

 ボクは、一切やりません

 なのに、何故この記事が気になったかと言うと、ボクが〝小菅ヒルズ〟に居る時に読んだ新聞で、この男性が起訴されたと言うニュースを見て、〝所得税法違反で起訴なんて珍しいな〟と、思ったからです

 なので、一体どんな判断を裁判所は下すのだろうと、報道ベースですが追い掛けていたのです


 まっ、この男性の競馬に使う額が尋常ではなかったのですが、男性は2007~2009年の3年間に計約28億7000万円分の馬券を購入し、計約30億1000万円の配当を得ており、利益は約1億4000万円でした

 これに対し、大阪国税局は、税務調査の結果、配当額から当たり馬券の購入額を差し引いた、約29億円を一時所得と認定したのです

 
 両者の主張はこうなります

 
 男性→「30億の配当から、購入費用を引いた利益にのみ課税せよ」

 国税局→「競馬の場合は、当たり馬券の購入額のみが経費。配当金からそれを引いた29億円が課税対象」



 つまり、男性の主張と、大阪国税局の主張では、1億4000万円と29億円で課税対象額に大きな開きが出てきてしまうのです

 と、両者の主張は真っ向から対立していました


 分かりやすく解説すると、


 ▼【馬券を1口だけ購入した場合】

 1口100円の馬券を1口購入→的中して配当金1000円を手にしました

 配当金1000円-1口100円=利益900円

 ▼【複数口購入した場合】

 1口100円の馬券を10口購入=トータル1000円分の馬券を購入

 10口のうち1口が的中→配当金が1000円でした

 配当金1000円-1口100円=利益900円

 残り9口=900円はハズレ

 1口で見ると900円の利益が出ましたが 9口はハズレなので トータルで見ると利益はなし

 
 ▼【今回の裁判での大阪国税局の言い分】

 1口のみ購入の場合→利益の900円に課税する

 複数口購入の場合でも 同じように1口の利益900円に課税する

 つまり、ハズレの900円分の損は無視するということ

 
 ▼【これに対し】

 トータルで見ると利益は「0円」なのに 、なんで「利益900円分」の税金を払わなければいけないのか!というのが男性の言い分です

 
 ▼【この男性の場合】
 2007~2009年の3年間に 計約30億1000万円の配当を得た
 約28億7000万円分が馬券の購入費用
 利益は約1億4000万円

 ▼【男性の主張】
 2007~2009年の3年間に 計約30億1000万円の配当を得た→「収入」
 約28億7000万円分が馬券の購入費用→「必要経費」
 利益は約1億4000万円→「課税対象」

 ▼【今回の大阪国税局の主張では】
 2007~2009年の3年間に 計約30億1000万円の配当を得た→「収入」
 当たり馬券の購入額(約1億1000万円)→「必要経費」
 収入-必要経費=約29億円→「課税対象」

 ▼【大阪国税局の主張内容】
 計約30億1000万円の配当のうち 必要経費と認められるのは当たり馬券の購入額のみ
 配当額から当たり馬券の購入額を差し引いた約29億円を「一時所得」と認定し課税した


 両者の主張が、真っ向から対立した裁判は、一審では最大の争点だった外れ馬券の購入費について 「必要経費にあたる」と 元会社員側の主張を認める一方で 「申告義務があることは認識していた」として、元会社員に懲役2ヶ月執行猶予2年(求刑懲役1年)を言い渡しました

 ほぼ、男性の主張を認めた形となりましたが、有罪判決なので、この男性は前科者になってしまいました

 この判決に対し、検察が控訴しましたが、大阪高等裁判所は 1審に続いて外れた馬券の購入費を必要経費と認める判断を示し、その上で脱税額を大幅に減らし、執行猶予の付いた有罪判決を言い渡しました

 控訴審判決も不服とした検察が上告し、その結果が冒頭の記事なのです

 裁判開始から約2年、開始当初からその判決がどうなるかに注目が集まっていた裁判についに決着がつき、最高裁は検察側の上告を棄却し、「外れ馬券の購入費も必要経費と認めるべきだ」と、従来の国税庁の運用とは異なる判断を示しました


 
 今回は、競馬に対する投資金額が、通常とは異なり、また全てインターネットで取引を行っていた為に、お金の収支が完璧に把握されていた特殊なケースでした

 ですから、競馬愛好者が全て、所得税法違反に問われることは皆無でしょう

 だって、競馬をやる方の殆どが、直接競馬場に行って馬券を購入するか、場外馬券場で馬券を購入するかなので、お金の収支が把握できないからです

 
 ただ、どうも解せないのは、わざわざ起訴して裁判までする必要があるのかなと思います

 どう考えても、この男性は、積極的に脱税したとかではかく、ただ単に所得税を申告しなかっただけなのに、それが違法だと問われて、刑事被告人として法廷へと引きずり込まれることに、ボクは大変違和感を覚えます

 別に、所得税法違反なんて、誰も被害者が居ないじゃないですか

 所得税法違反だと、誰が困るんですか

 まっ、被害者が居るか居ないかではないのかも知れませんが、少なくとも、同じ被害者が居ない覚せい剤や大麻の使用よりは、断然マシだと思います

 
 今回は、無罪判決ではないので、この男性は立派な犯罪者となってしまいました

 果たして、この人は立派な犯罪者なのでしょうか

 課税に対する最高裁の判決は、画期的で評価出来ますが、かと言ってこの男性を犯罪者にしなくてもイイとボクは思います


 今日は、こんなお話でした

 
 明後日は、最近観たテレビ番組についてお話する予定です



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