日本初(?)有罪率99.9%の刑事裁判で〝二度も〟無罪判決を勝ち取った男のブログ!

過去、二度も刑事裁判の被告人として法廷に立たされるも、自力で反証、反駁をし二度も無罪判決を勝ち取る!そんな私が、あらゆる事を綴る!

心神喪失で無罪って…?



 こんにちは

 今日は、今年一番の暑さのようですね

 新しい一週間、張り切って行きましょう


 さて、今日は、先日飛び込んで来た話題についてお話します


 先日、下記のニュースが飛び込んで来ました


 
 「発作で心神喪失」万引きの罪に無罪判決


 おととし、東京都内の家電量販店でゲームソフトなどを万引きした罪に問われた男性に対し、東京地方裁判所立川支部は「男性は当時、けいれんを伴わないてんかんの発作が続く症状によって心神喪失の状態だった」と指摘して、無罪を言い渡しました。

 この裁判は、おととし9月都内の家電量販店で、ゲームソフトやヘッドホンなどを万引きしたとして、都内に住む50代の男性が盗みの罪で起訴されたものです。

 裁判では、裁判所が選任した医師による鑑定で、男性には、けいれんを伴わないてんかんの発作が続く「NCSE」と呼ばれる症状があり、当時発作が起きて意識障害が起きていた可能性が高いとされ、弁護側は、心神喪失の状態だったとして無罪を主張していたのに対し、検察側は、懲役1年10か月を求刑していました。

 14日の判決で、東京地方裁判所立川支部の阿部浩巳裁判長は「男性は鑑定の内容どおり、当時意識がもうろうとして自分の行動を制御できず、心神喪失の状態だった」などと指摘して、男性に無罪を言い渡しました。

 「NCSE」はけいれんを伴わないため、一見発作が起きていることが分かりにくい特徴がありますが、発作が起きると、物事を認知する機能の低下や意識障害などが現れるということです。

 「NCSE」に詳しい「国際医療福祉大学熱海病院」の永山正雄医師は「『NCSE』についてあまり知られておらず、裁判で争われたケースをこれまでに聞いたことがない」と話しています。

 男性「治療して社会復帰を」

 無罪判決を言い渡された50代の男性は「当時は宙に浮いて意識がもうろうとしている状態で、防犯カメラの画像を見て、初めて自分の行為を思い出しました。店に迷惑をかけたことは間違いないので、これからしっかりと治療して社会復帰をしたいと思います」と話していました。

 男性の弁護を担当した林大悟弁護士は「これまであまり知られてなかった『NCSE』という症状について裁判所が認めたので、画期的な判決だと思います。男性が治療に専念するためにも、検察は控訴しないでほしいと思います」と話していました。

 検察「上級庁と協議し対処」
東京地方検察庁立川支部の名倉俊一副部長は「判決内容を精査し、上級庁とも協議のうえ適切に対処したい」とコメントしています。

 非けいれん性てんかん重積状態とは

 けいれんを伴わないてんかんの発作が続く症状は「NCSE=非けいれん性てんかん重積状態」と呼ばれ、10年ほど前から医師の間で認識が広まりつつあり、治療法などの研究が進められています。

 「NCSE」の臨床研究に取り組む国際医療福祉大学熱海病院の永山正雄医師によりますと、患者の数はまだよく分かっていませんが、多くは薬物治療によって発作を抑えることが可能だということです。

 永山医師は「『NCSE』によって現れる症状は非常に多様で、中には自分の意図と反する行動を引き起こすこともある。『NCSE』は、まだ医師の間でも認識が広まっていないので、まずは正確な診断を行っていち早く治療につなげることが重要だと」と話していました。



 と、言うニュースが飛び込んで来ました

 本ブログでも、これまで様々な無罪判決を紹介して来ましたが、今回のようなケースは初めてです

 
 法律や、裁判に詳しい方なら、〝心神喪失は無罪〟と言うことは知っているかと思います

 では、具体的に、〝心神喪失は無罪〟とは、どういう事なのかをお話します


 まず、責任能力について、刑法には以下の条文があります


 「心神喪失者の行為は、罰しない。」(39条1項)

 「心神耗弱者の行為は、その刑を減軽する。」(39条2項)

 「14歳に満たない者の行為は、罰しない。」(41条)



 と、あります

 要するに、刑法39条1項で、心神喪失者の犯罪行為は罰しない、と定められているのです

 ですから、裁判の結果、犯行当時の被告人は心神喪失状態にあった、と判断されれば、その行為は罰せられない、つまり無罪になるという事です

 では、心神喪失って、どういう意味かと言うと、精神病や薬物中毒などによる精神障害のために、自分のしていることが善いことか悪いことかを判断したり、その能力に従って行動する能力のない人や、その判断能力又は判断に従って行動する能力がが普通の人よりも著しく劣っている事をいい、刑法では、これらの能力の全くない人を心神喪失者と言います

 一言で表すと、善悪の判断が出来ない状態、という事です

 そのような状態で、犯罪行為を行ったとしても、罰せられないとなっているのです

 また、これと似た言葉で、〝心神耗弱〟という言葉がありますが、これは上記の能力が、普通の人よりも著しく劣っている人を心神耗弱者といい、その刑を普通の人の場合より軽くしなければならないことになっています


 では、何か犯罪を行った時に、心神喪失状態だったと認められるかどうかですが、これは極めて稀です

 法律上は、心神喪失状態の者は罰しないとなっていますが、事実上は殆ど認められません

 その証拠に、下記のデータがあります


 ■心神喪失で無罪は、1年に平均3人


 過去3年の犯罪白書をみると、統合失調症や薬物中毒などを含めた全体で、心神喪失を理由に無罪となった人数は1年平均3人です

 尤も、精神障害者等(精神障害者+精神障害の疑いのある者)の検挙人数は1年平均3,144人で、そのうち平均582人が、心神喪失を理由に不起訴にされています


 犯罪白書
 

 この表を見ると、一目瞭然ですが、無罪になった人は、1人とか2人しか居ません

 一年の内に、たったの1人か2人ですから、極めて稀なのが分かります

 一方で、起訴されずに、不起訴になっている件数が結構ありますね

 これは、事実上の無罪判決といってイイでしょう

 では、検挙人数から、不起訴処分と無罪になった数を引いた、残りの人達はどんな結果になったのかと言うと、責任能力が認められて有罪になったという事です

 従って、心神喪失で無罪になるというのは、通常の無罪判決をゲットするよりも、至難の業だという事です


 
 では、心神喪失や心神耗弱の内容は上記のとおりとして、実際の裁判ではどうやって判断しているのでしょうか

 実際の裁判では、鑑定などによって、まず(1)精神の障害の有無を判断し、(2)以下の要素を総合考慮して、心神喪失や心神耗弱にあたるかどうか判断しています

 
 ・犯行の動機が了解できるものか

 ・犯行は計画的なものか

 ・犯行当時、犯行は悪いという認識はあったか

 ・精神の障害によって責任を免れるという認識はあったか

 ・犯行が、普段の行為者の性格から考えて理解できない異質なものか

 ・犯行に一貫性があるか

 ・犯行後に、逃走・罪証隠滅などの自己防衛的な行動をとったか

 ・その他

 

 以上の事情を考慮して、一般人ではこうしないだろうという、理解不能な要素が多いほど、心神喪失や心神耗弱が認められやすくなるわけです


 今回の事件では、非常に珍しい病気だった為、裁判所が心神喪失を認めてくれましたが、通常では殆ど認められません


 因みに、心神喪失で無罪になった場合は、心神喪失医療観察法に乗っ取り地方裁判所にて入院、通院、もしくは不処遇が決定されます

 そして、入院期間(標準18ヶ月)や通院期間(原則3年)を経て退院します

 つまり、完璧な自由の身になる訳ではないのです

 でも、拘置所に居るよりは、全然マシですがね


 最後に、仮にパクられて、何とか罪を免れたいと思って精神病を装っても、まずバレるので止めた方がイイですよ(笑)

 これを、〝詐病〟と言いますが、詐病はまずバレるので、やるなら違うシチュエーションで行う事をオススメします(笑)


 今日は、そんなお話でした
 


 人気ブログランキングバナー


 


 (お手数ですが、両方のバナーをクリックして頂けると嬉しいと思います)