日本初(?)有罪率99.9%の刑事裁判で〝二度も〟無罪判決を勝ち取った男のブログ!

過去、二度も刑事裁判の被告人として法廷に立たされるも、自力で反証、反駁をし二度も無罪判決を勝ち取る!そんな私が、あらゆる事を綴る!

職務質問における、所持品検査の過去の裁判例(肯定)。



 こんにちは

 今日は、風もなくて非常に気持ちイイですね

 今週も、張り切って行きましょう


 先週は、法律上は職務質問を拒否できるけど、事実上はできないと言うお話でした

 ホントにふざけた話なんですが、これが現実なのです

 拒否すれば拒否するだけ、時間の無駄だという事です


 さて、今日は、職務質問時における所持品検査の過去の裁判例をお話します

 まっ、職務質問イコール所持品検査ですからね

 所持品検査をしたいが為に、職務質問をするんですからね

 先日もお話しましたが、職務質問をしたこと自体が違法か適法かで争われた裁判は皆無で、職務質問の限度という意味合いの裁判が非常に多いです

 限度というのは、職務質問が始まると、必ず行われる所持品検査の違法性、適法性です

 要は、ここまでは許されて、ここまでは許されないという事です

 
 本日は、過去の裁判例の中で、警察官の行為を適法と肯定した事例を幾つか紹介します


 ◎ バッグの外側から触れ、持ち上げる行為(東京高判昭51・2・9)

 過激派学生が、鉄パイプを持って集会に向かうとの情報に基づき検問中、先行のタクシー内で鉄パイプが発見されたことから、後続のタクシーを停止させてX(被告人)らに職務質問し、バッグ等の開示を数回求めたが、「見せる必要はない。」と応じなかったので、警察官が「触らせてくれないか。」等と言ったところ、特に拒否の態度を示さなかったため、バッグ等の外側から触れ、これを持ち上げ、ゆすって、鉄パイプを発見した事案。


 ◎ 異常な箇所に着衣の外部から触れる行為(大阪高判昭51・4・27

 覚せい剤中毒のあるX(被告人)に所持品の提示を求め、Xが右側内ポケットから目薬とちり紙を出した後、警察官が「他のポケットを触らせてもらう。」と言ったところ、Xが何も言わなかったため、Xの上衣とズボンのポケットを外側から触り、上衣左側内ポケットに刃物ではない何か堅い物が入っている感じで膨らんでいるのを確認した事案。


 ◎ バッグのふたを開ける行為(福岡高判平4.1・20)

 覚せい剤の影響と思われる異常な言動をしているとの通報があったX(被告人)に職務質問したところ、ホテル客室内ベッド枕元の棚上にあるセカンドバックのポケットから注射器がのぞいていたので、バッグの中身を開示するよう促したが、Xが拒否したため、承諾のないまま、ホックのはずれていた上ぶたを開いて内部を一べつし、覚せい剤を発見した事案。


 ◎ 相手方の承諾のない所持品検査を認めた事例(最高裁昭53・6・20「米子銀行強盗事件」)

 持凶器銀行強盗事件の緊急配備中、手配人相に似たXとY(被告人)が乗車した車を発見して職務質問したところ、2人とも黙秘したことから容疑を深め、強く促して降車させ、所持していたボーリングバッグとアタッシュケースの開披を求めたが、2人が約30分にわたり拒否し続けたので、さらに警察署へ同行して質問を続行し、所持品の開披を繰り返し求めたものの、依然として黙秘と開披の拒否を続けたため、承諾のないまま、その場にあったボーリングバッグのチャックを開けて無造作に入れられた大量の紙幣を発見し、次いで、アタッシュケースの鍵をドライバーでこじ開けて被害銀行の帯封をした札束を含む大量の紙幣を発見した事案。


 ◎ 「持ち物見せてもらうぞ」と告げたところ、格別これを拒否する言動態度を見せなかった事例(大阪地判昭47.12.26)

 無銭宿泊容疑者X(被告人)が、職務質問に対して黙秘し、凶器の有無を確認するための着衣への接触についても拒まず、「持ち物を見せてもらうぞ。」と告げても格別これを拒否する言動態度を見せなかったため、背広胸ポケット内に見えていた手帳を抜き取り、覚せい剤を発見した事案。


 ◎ タバコの箱を、ブラウスの胸の内側に入れようとするのを制止する行為(東京高判昭56.9・29)

 覚せい剤所持容疑のあるX(被告人、女)にパチンコ店内で職務質問し、玉入れ箱の中のタバコの箱の提示を求めたところ、Xはこれに応じず、警察官がタバコの箱の方へ手を出そうとすると、いきなりタバコの箱を左手で握り締めたので、警察官Aがその左腕をつかんで押さえて提示を説得し、Xが更にそれを自らのブラウスの胸の内側に入れようとしたため、警察官Bが左のひじ付近をつかみ、AがXの左手首を握り、制止した事案。


 ◎ 覚せい剤ようの物を投棄するのを制止するため手首をつかみ、身体に取りつく行為(東京地判昭63・2・2)

 覚せい剤密売人として内偵中のX(被告人)に、職務質問のための声を掛けたところ、Xがズボンの右ポケットに右手を差し入れ、中から白っぽい物を取り出したので、覚せい剤を捨てようとしているものと考えたA警部補がその右手首付近をつかんだが、Xが抵抗したため、他の警察官2名がXの身体に取りついて制止した事案。


 ◎ ビニール袋を飲み込もうとする相手方を押さえつけて制止する行為(東京高判昭55・9・22)

 挙動不審者X(被告人)を警察署に同行して事情聴取中、Xがいきなり覚せい剤又は劇薬入りと疑われるビニール袋を飲み込もうとしたため、警察官がXの身体を押さえつけ、割り箸等で口を開いて、吐き出させた事案。


 ◎ 同(東京高判平5・7・28)

 覚せい剤所持の疑いで通報のあったX(被告人)に浴衣胸ポケットの在中物を尋ねたところ、Xが突然ポケットから手を出して何か(後刻、覚せい剤入りビニールパケと判明)を口に入れるとともに、伏せたはずみでポケットから注射器が転がり出たことから、警察官がXのあごや手足を押さえて飲み込むのを制止した事案。


 と、言うような、様々な事例がありました

 まぁ、どれもこれも、非常に怪しい対象者に職務質問をしていましたね(笑)

 
 確かに、警職法では、対象者に令状等の強制力がない限り、身体に触れたりしてはいけない、とはなっています

 しかし現実では、緊急性を要する場合等、その法を犯してでも警察官の行為は違法とは判断されません

 だって、違法だとしても、目の前で犯罪を見逃す位なら、証拠隠滅を図られる位なら、多少行き過ぎても問題はないでしょう、と言うのが裁判所の見解なのです

 裁判所としても、〝警察官だって、犯罪抑止の為にやってるんだから〟と言う、大局的な考えがありますからね

 これが、今日挙げたいくつもの事例です

 
 結局、所持品検査の限界は、一般に、その必要性、緊急性、相当性がある場合には、承諾がなくても所持品検査が許容され得ると解されるという事です

 
 ですので、ちょっと警察官の行為が行き過ぎだから違法だと喚いても、なかなかその主張は通らないということですね


 さて、明日は、今日とは反対の、警察官の行為が行き過ぎだと否定した裁判例をご紹介します

 

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