日本初(?)有罪率99.9%の刑事裁判で〝二度も〟無罪判決を勝ち取った男のブログ!

過去、二度も刑事裁判の被告人として法廷に立たされるも、自力で反証、反駁をし二度も無罪判決を勝ち取る!そんな私が、あらゆる事を綴る!

何故、ひと月の間に、二度も無罪判決が出たのか?



 こんにちは

 今日も、非常に良い天気ですが、またしても風が強いですね

 風が強いと、余計に寒く感じますよね


 昨日は、先日の無罪判決の後の行動をお話しました

 記者達に紛れて、囲み取材を〝傍聴〟しましたが、これと言ったコメントは聞けませんでした

 
 さて、今日は、何故ひと月に二度も無罪判決が出たのかを検証したいと思います


 改めて、今月はさいたま地裁で、二度も無罪判決が出ました

 それも、殺人放火事件と言う、極めて重大事件でした

 ちょっと、二つの事件を振り返りますね


 両親殺害放火事件、長男の被告に無罪判決 さいたま地裁


 埼玉県熊谷市で2011年、両親を殺害し自宅に放火したとして、殺人と非現住建造物等放火の罪に問われた長男で無職の羽鳥浩一被告(43)=群馬県太田市=の裁判員裁判の判決が3日、さいたま地裁であった。

 栗原正史裁判長は「被告人が犯人であると認定するには、合理的な疑いが残る」として無罪(求刑無期懲役)を言い渡した。

 羽鳥被告の起訴内容は、11年3月10日、熊谷市の自宅で父親の平吉さん(当時68)と母親の輝子さん(当時69)の首を絞めるなどして殺害し、翌11日、自宅に火をつけたというもの。

 羽鳥被告は捜査段階から関与を否定。

 公判でも「両親は心中した。放火は、誰かが侵入してやった」などと無罪を主張していた。

 判決は、首の骨が折れていた輝子さんについては他殺と認定する一方、解剖で急性硬膜下血腫が見つかった平吉さんの死因については「何者かの攻撃で生じたとまではいえない」と指摘。

 2人とも持病を抱えていたことから、平吉さんが輝子さんを殺害し、自殺した可能性もあるとした。

 また、放火についても、羽鳥被告が出火時、自宅にいた証拠はなく、「第三者が放火した可能性は否定できない」と判断した。

 羽鳥被告は出火当日から行方不明になり、火災の6日後に静岡県内にいたところを捜査員に発見された。

 この行動について、公判で「両親の死を知り、自殺しようと考えた」と説明していた。

 一方、埼玉県警は遺体に煙を吸い込んだ跡が無いことなどから放火殺人事件として捜査。

 14年5月に羽鳥被告を逮捕した。

 さいたま地検の片山巌次席検事は「判決内容を精査し、上級庁と協議のうえ適切に対処する」と話した



 
 そして、もう一つの事件がこちら


 
 妻子放火殺人 地検の実験、無罪裏付け どよめく傍聴席


 「被告人は無罪」。

 河本雅也裁判長が主文を読み上げると、ほぼ満席の傍聴席がどよめいた。

 23日、さいたま地裁で開かれた殺人と現住建造物等放火などの罪に問われた山野輝之さん(40)の判決公判。

 今月3日に続いて殺人などの罪を問う裁判で無罪判決が出たことに加え、検察側が立証の柱とした模擬家屋の燃焼実験が、逆に無罪を裏付けるという検察側にとって二重の衝撃となった。

 河本裁判長は判決理由で燃焼実験に詳しく言及。

 検察側が実験結果を山野さんが出火時に自宅にいた根拠になると主張したのに対し、防犯カメラに山野さんの車が写った時刻などを照らし合わせ「山野被告以外の第三者による放火の具体的・現実的可能性を示唆する」として、検察側の狙いとは逆の評価を下した。

 実験が階段踊り場付近を出火元と想定したことについても、「弁護側の主張のように別の部屋が出火元に含まれる可能性を考慮していない」と検察側の立証の不十分さを指摘した。

 元検事の落合洋司弁護士は、放火殺人事件について「火災で物的証拠がなくなってしまうため、自白がない場合は状況証拠に依存せざるを得ない」と立証の難しさを語る一方、検察側が「ひとつの条件下での燃焼実験結果のみに頼りすぎていた」と指摘。

 「弁護側の主張も含めたさまざまな前提で検証するべきだった。実験結果が否定された場合にも対応できるよう、灯油の入手経路など別の部分の事実関係を積み上げておくこともできたのではないか」と問題点を挙げた。



 と言う、二つの重大事件でした

 同じ埼玉県内で発生し、被害者も同じく二名が亡くなるなど、不可思議な因果で結ばれました

 これらの事件は、その重大性に鑑み、同じく裁判員裁判で審理されることとなりました


 ボクは、これらの事件を最初から追いかけていた訳ではなく、たまたま何気なく傍聴に行った際に、最初の羽鳥選手の事件と出会し、判決はどうなるかなと思い、3月3日に判決を傍聴に行ったのです

 そしたら、まさかまさかの無罪判決で大変ビックリしたのです

 その帰りに、他に何か事件は無いかなと思い開廷表を眺めると、またも殺人放火事件の裁判員裁判が開かれていて、そこで山野選手の事件と出合ったのです

 そこで調べてみると、山野選手も逮捕当初から完全否認しているという事で、これも見物だと思い、俄然興味を持ったのです

 そして、被告人質問も傍聴し、この事件も判決は覗いてみようと思い、23日に勇んで行くと、これまたビックリな無罪判決だったのです

 こうして、ボクは何気なく出合った二つの重大事件の、無罪判決を見届ける結果となったのです


 そこで、ボクも含めて皆さんは、何でこんなにも無罪判決が続いたのか、と言う疑問を持ったと思います

 ドラマのガリレオ(原作、東野圭吾)で、福山雅治がよく言っていた、〝全ての現象には理由がある〟じゃないですが、無罪になったのにも必ず理由があります

 その理由を、無罪経験を持ったボクなりに検証したいと思います

 ただ、当然ながら、裁判記録を見ていないので、詳細な掘り下げは出来ないことをお許し下さい


 まず、今回の二つの事件に共通していることは以下の二点です

 
 ・ 直接証拠がないこと。

 ・ 二人共、犯行を否認していること。



 こうなると、有罪にする為に検察は、情況証拠(間接証拠)を積み上げて、被告人が犯人であると立証するしかありません

 この、情況証拠による事実認定は、それはそれは刑事裁判の永遠のテーマで、様々な意見があります

 因みに、情況証拠とは、要証事実の存否を間接的に証明する証拠で、例えば、殺人罪の立証について、被告人に被害者を殺害する動機があったとの事実、被告人が事件後逃亡したとの事実などがこれにあたります

 これら二つの事件は、正に情況証拠による事実認定の典型的な裁判でした


 そして、情況証拠による事実認定においては、平成22年4月に最高裁で一つの指針となる判決が出ました

 
 『刑事裁判における有罪認定に当たっては、合理的な疑いを差し挟む余地のない程度の立証が必要であるところ、情況証拠によって事実認定をすべき場合であっても、直接証拠によって事実認定をする場合と比べて立証の程度に差があるわけではないが、直接証拠がないのであるから、情況証拠によって認められる間接事実中に、被告人が犯人でないとしたならば合理的に説明することができない(あるいは、少なくとも説明が極めて困難である)事実関係が含まれていることを要するものというべきである』


 と言う判決で、実に裁判所らしく分かりづらいですよね

 意味分かりますか(笑)

 この判決の中の、『被告人が犯人でないとしたならば合理的に説明することができない(あるいは、説明が極めて困難である)』と言うのは、〝被告人が犯人でないとしても合理的な説明ができること(他者の犯人可能性)〟の否定を意味しています

 ですから、これらの事件は、〝被告人が犯人でないとしても合理的な説明ができる(他の人間の可能性がある)〟と、言われてしまったのです


 また、これは裁判に少しでも興味がある方なら知っていると思いますが、刑事裁判の原則は、〝疑わしきは被告人の利益に〟です

 またの名を、〝疑わしきは罰せず〟です

 これは、疑わしい(こいつ怪しいな)だけでは有罪にしてはいけませんよ、という意味です

 しかし、今日の刑事裁判は、疑わしきは罰せず、ではなく〝疑わしきは罰せよ〟になっているのが現状なのです

 もう、〝こいつは怪しいからやってるよ〟みたいな

 ですから、今回の二人も、犯行に係る前後関係は非常に怪しかったのですが、それはあくまでも怪しいだけで、犯人とまでは言えないという判決だったのです

 そういう意味では、今回の二つの無罪判決は、実に刑事裁判の原則に則ったモノだという事です

 しかも、通常の裁判と違い、裁判員裁判でこの結果ですから、よっぽど被告人を犯人とするには合理的な疑いがあった証拠です


 そうすると、挙証責任を負う検察の立証は、いかに脆弱だったか分かります

 いくら情況証拠を積み上げても、被告人が犯人だとするゴールには届かなかったのです

 特に、山野選手の事件では、警察がわざわざ行った燃焼実験の結果が、皮肉にも被告人の無実を証明してしまう結果となったことからも、いかに警察と検察の立証には無理があったかが分かります

 ホント、判決ではけちょんけちょんに言われてましたからね


 纏めると、今回の無罪判決の要因は、


 ・ そもそも検察の立証(筋読み)には無理があった。

 ・ 検察の情況証拠は、被告人を有罪にするまでには届かなかった。

 ・ 裁判員が、刑事裁判の原則に則った判決を下した。



 この三点だと考えます


 ただ、これで全てが終わった訳ではありません

 羽鳥選手については、ボクの予想通り、検察は判決を不服として控訴していますし、山野選手についても検察は控訴するでしょう

 ですから、今後事件は東京高裁へと移り、高裁の職業裁判官3人で審理されます

 ボクは、これはこれで非常に楽しみです

 是非、控訴審は初公判から傍聴したいと思います 
 
 だって、控訴審は、初公判が事実上の判決ですからね


 とりあえず、身分は被告人のままですが、拘置所から久し振りのシャバに出た二人は今、一体どこで何を思っているのでしょうか


 さて、明日は、最近ふと感じたことを綴る予定です



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