日本初(?)有罪率99.9%の刑事裁判で〝二度も〟無罪判決を勝ち取った男のブログ!

過去、二度も刑事裁判の被告人として法廷に立たされるも、自力で反証、反駁をし二度も無罪判決を勝ち取る!そんな私が、あらゆる事を綴る!

不意打ちの無罪判決!!!(後編)

 

 こんにちは

 今日も、いい天気ですが風が強いですね


 昨日は、先日たまたま傍聴に行った、殺人及び放火事件の奇跡の無罪判決についてお話しました

 当日の詳細は、もったいぶって引き伸ばしました(笑)

 ですので、本日お話したいと思います

 
 さて、早速当日の状況をお話しましょう


 判決当日の3月3日、ボクは事前に調べていた判決が、予定通り行われるか、念の為裁判所に確認の電話をしました

 たまにですが、判決が延期になったりする可能性があるので、行ってからやってなかったってなると、完璧な無駄足ですから、それを防ぐ為に電話をしたのです

 すると、電話に出た職員は、判決は予定通り行われると言っていったので、一安心してアクセルを踏みました


 開廷時間は、15時からだったので、少し余裕を持って裁判所に到着しておきたいと思い、若干焦りながら向かいました

 と言うのは、皮肉なもので、こういう時に限って道がノロノロで、車の時計と何度も何度もにらめっこをしてしまうのです

 なので、途中〝間に合うかな…〟と、不安が過ぎりました

 この日の判決は、傍聴券は出ていなかったのですが、流石に大きな事件だけに、それなりに傍聴人は来るだろうとの予想だったのです

 傍聴券が出ていない場合は、先着順なので、万が一人が多くて満席の場合は傍聴出来ないのです

 ですから、何とかそれだだけは避けたいと言う思いもあり、ついつい不安が過ったのです


 そんな事を思いながら、何とか開廷10分前に到着しました

 車を降りて、早歩きで法廷へと向かいますが、余り人がザワザワしている感じは無かったので、〝おっ、余裕じゃん〟と思いました

 ところが、法廷の前へ行くと、何と行列が出来ていたのです

 その数は、およそ30人位でした

 やはり、大きな事件だけに、皆さんそれなりに興味があるのでしょう

 その人達を、裁判所職員が〝二列に並んで下さい〟と促し、法廷の横にラーメン二郎の行列のように、傍聴希望者が列を作ります

 恐らく、この行列に並ぶ全ての人達が、その後に訪れる究極のサプライズを予想していなかったでしょう(笑)


 そして、開廷5分前に、職員の指示で行列が法廷へと吸い込まれて行きます

 202号法廷は、一番前方の列が報道記者席になっていて、一般傍聴人は二列目以降に座らないといけません

 ボクは、被告人席が良く見える位置に座ろうと、対角線上に陣取りました

 それは、被告人の顔を良く見たかったからです

 思いの外、報道記者席もそれなりに埋まり、予想以上の注目度だなと感じました


 少し経つと、刑務官に連行されて、羽鳥選手が入場して来ました

 その表情は固く、何かに押しつぶされそうな感じでした

 被告人席に座ると、ずっと下を見詰めていました

 この時、羽鳥選手は、一体何を思っていたのでしょうか…

 
 この、判決前のドキドキ感は、ボクも経験者なので分かりますが、何とも表現のしようがない心境です

 くじで例えるなら、アタリが出れば〝シャバ〟で、ハズレが出れば〝ムショ〟と言う、人生を懸けたくじです

 しかも、このくじの確率は、過去の実績を見ると、99.9%ハズレ(有罪)が出ると言います

 逆に、アタリ(無罪)が出る確率は、たったの0.1%しかありません


 こんな、誰もが挑戦したくないくじを、被告人である以上チャレンジしないといけないのです

 それに、羽鳥選手の科せられたくじの種類は、何と〝無期懲役〟という、事実上の終身刑ですから、ボクなんかとは次元が違います

 ボクは、万が一有罪でも、当然納得は出来ないですが、遅かれ早かれ、ところてんのようにいつかはシャバへと押し出されます

 しかし、羽鳥選手は、ハズレだったら、一生刑務所から出れないのです

 ですから、同じ被告人とは言え、その次元は全く違います


 そして、裁判長を筆頭に、裁判員達が入廷して来ました

 全員起立をして、一礼し、定刻通りに開廷しました

 この時、ふと周りを見ると、48席ある傍聴席はほぼ満席でした

 その中には、明らかに私服の〝デカ〟が居ました

 勘違いじゃないのか、と思うかも知れませんが、ボクの嗅覚は犬より優れているので間違いありません

 恐らく、裁判の行方が気になって、傍聴に来ていたのでしょう



 『それでは、開廷します。では、羽鳥さんは証言台へ。』

 と、裁判長が促し、羽鳥選手はトボトボと証言台へと向かいます

 この時、ボクは裁判長の言葉に違和感を覚えました

 それは、被告人と言わずに羽鳥さんと言ったからです

 通常は、裁判長は『被告人は前へ』と、被告人と言います

 それが、名前だったので、何で名前で呼ぶのだろうと思ったのです

 でもそれは、その後に続く言葉に繋がっていたのでしょう


 『それでは、あなたに対する殺人、非現住建造物放火事件について、当裁判所の判決を言い渡します。』

 判決宣告の時の、独特の緊張感です

 ボクは、主文を書き留めようと、右手にペンを持ち、手元のレポート用紙を見詰めていました

 すると、


 『主文。被告人〝は〟無罪。』


 その瞬間、ボクはおもいっきりビクッとして、裁判長の方を見つめました

 レポート用紙を見ていた視線が、パッと前方に移ったのです

 もう、〝えっ〟と言う感じで、誰もが鳩が豆鉄砲を食らったようでした

 そして、何人かの報道記者が、法廷を早足で出て行きました

 また、妙な静寂に包まれていました

 ボクの逆転無罪判決の時は、〝おぉ~〟と言う歓声と大拍手でしたが、そんな光景は一切皆無で、まるで有罪だったかのような雰囲気でした

 ボクは、何だこの静寂は、と不思議でなりませんでした


 実は、ボクは判決の瞬間、被告人〝は〟と、聞こえたので〝おやっ〟と思ったのです

 何故なら、無罪になる時は、被告人〝は〟と言うからです

 逆に、有罪の時は、被告人〝を〟と言います

 被告人〝を〟懲役○年に処する、と言い、被告人〝を〟無罪に処する、とは言いません

 だって、無罪は刑罰ではないので、処すると言う表現はおかしいじゃないですか

 なので、裁判長が、被告人〝は〟と言ったので、ボクは〝えっ〟と、思ったのです


 一方、当事者である、羽鳥選手は、判決の瞬間全く微動だにせず、ただただ前方を見詰めているだけでした

 ホント、羽鳥選手からは、一切の喜怒哀楽が感じ取れないのです

 何というか、気迫が無いというか…

 ボクは、判決の瞬間、おもいっきり〝ヨシッと、言って右手でガッツポーズをしました

 その位、待ちに待った判決でしたからね

 だから、無罪の判決を聞いても、一切微動だにしない羽鳥選手は、ボクからすると理解できないのです


 その後、裁判長は羽鳥選手を証言台に座らせ、判決理由の朗読を始めました

 判決内容は、昨日のお話にも書いた通りですが、とにかく検察の主張は全て排斥し、脆弱であると指摘しました

 所謂、〝状況証拠による事実認定〟と言うやつで、この点について裁判所の判断は、殺人や放火をしたとまでは言えないと判示しました

 この事件は、犯行の直接的な証拠は一切なく、間接証拠の積み上げで、羽鳥選手が犯人であろうと強く推認出来ると言うモノなのです

 ですから、それらの間接証拠だけでは、羽鳥選手が犯人とするには合理的な疑いが残ると判示したのです

 
 ボクは、判決内容を聞いて感じたのが、実に簡素にまとめられているなという印象でした

 通常、無罪判決の際は、判決文は必然と長くなるのですが、今回は実にまとまっていて、朗読時間もわずか20分足らずでした

 ホント、分かりやすくまとめられていました


 判決文を、裁判長が朗読する間、裁判員はじっと前方を見つめていました

 その表情は、全体的に固いように見えました

 今回の評決は、一体何人の人が無罪に票を投じたのでしょうか

 全員か二人かそれとも四人か裁判官の判断は

 ホント興味ありますよね


 そして、思いの外短い判決文の朗読が終了し、裁判長は、

 『以上が判決理由になります。それでは閉廷します。』

 と、淡々と告げ、裁判員は法廷を後にしました

 その際も、羽鳥選手は一礼や、ありがとうございます等と言うこともなく、ただただ無言で立っているだけでした

 そして、傍聴席に居る関係者と一言二言交わしていたのですが、何を言っているかまでは聞き取れませんでした

 関係者が、その後も何か言おうとしてましたが、刑務官に手で制止されていました

 
 でも、これは非常におかしくて、無罪なんですから被告人ではないので、静止される筋合いはないのです

 ボクの時は、終了後、法廷の柵越しに、清田君を始めとした仲間と、ガッツリ固い握手をして喜びを分かち合いました

 ホント、今でも昨日のことのように、あの光景を覚えています


 そして、羽鳥選手は、手錠をされることはなく、法廷の奥へと消えて行きました

 ボクも、法廷を後にして外へと出ると、ザワザワしていて、記者が弁護士を囲んでいました

 その数は、十人以上は居たと思います

 それから、一階のロビーに降りて、他の事件がないかと開廷表を眺めていると、弁護士や記者達が降りてきて、外で囲み取材が始まりました

 ボクも、紛れて聞こうかと思ったのですが、ちょっと気が引けたので、その場を離れ別の裁判員裁判を観に行きました

 それについては、別の機会でお話します


 その後、ボクは別の裁判員裁判を観てから、裁判所の側にある、さいたま拘置所に歩いて行って、羽鳥選手が出て来る場面に遭遇しないかと思ったのですが、残念ながら遭遇しませんでした

 実は、場所によっては、検察庁と裁判所と拘置所が、同じ敷地内にある場合があるのです

 これは、結構地方に見られる光景なのですが、さいたま地裁も御多分に漏れずこのパターンでした

 まっ、東京地裁のような大きな所は別ですが、地方の裁判所ではこのパターンは結構あるのです

 それから、無罪判決になると、荷物整理をして直ぐに釈放なので、必ずさいたま拘置所から出てくるのです

 ボクは、自分の実体験でそれが分かっていたので、もしかしたらと思い、歩いて行ってみたのです

 しかし、残念ながら、羽鳥選手とは会えませんでした


 
 以上が、判決当日のドキュメントでした

 これで、羽鳥選手は晴れて自由の身で、めでたしめでたし、とは残念ながらなりません

 まだ、裁判は終わりません

 何故なら、検察が控訴するからです

 まだ、控訴はしていませんが、恐らく控訴はするでしょう

 そうすると、自由の身でありながら、身分は被告人のままなのです

 なので、この無罪判決が確定するまでは、まだまだ時間が掛かります

 それに、控訴審では、もしかしたらボクのような逆転無罪ではなく、〝逆転有罪〟になる可能性がありますから、まだまだこの事件からは目が離せません

 引き続き、控訴審も追いたいと思います


 それにしても、何気なく見に行った、重大事件の裁判員裁判の無罪判決を生で観れるなんて、つくづくボクは〝持ってる〟なと思いました

 流石に、裁判員裁判の無罪判決を観たのは初めてでした

 これからも、そうそう巡り合わないでしょう


 さて、明日は、またしても出た無罪判決についてお話する予定です

 

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