日本初(?)有罪率99.9%の刑事裁判で〝二度も〟無罪判決を勝ち取った男のブログ!

過去、二度も刑事裁判の被告人として法廷に立たされるも、自力で反証、反駁をし二度も無罪判決を勝ち取る!そんな私が、あらゆる事を綴る!

2013年11月の記事

東京拘置所矯正展 2013 (5)

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 おはようございます

 今日も、実にいい天気でホント清々しいですね

 
 さて、早速前回の続きから綴って行きましょう

 前回は、『プリズン弁当』の〝偽造問題〟にメスを入れました。(笑)

 今日は、ボクが矯正展で買った物を紹介したいと思います


 まずは、これです。


 千葉刑務所で作成されたメモ帳


 写真の通り、千葉刑務所で作成されたメモ帳です

 5個で、何と55円実に安い

 ジャパネットタカタの社長もビックリな値段設定です。(笑)


 刑務作業品の団扇


 続いては、函館刑務所で製作された団扇です

 値段は、150円なのでこれまた安い

 因みに、何故団扇なのかと言うと、実はこの日はメチャメチャ暑くて半袖一枚でも汗がダラダラ出て来る様な状況だったのです

 なので、少しでも涼もうと購入したのです
 

 〝マルゴク〟斜め掛け巾着


 続いては、函館刑務所製作の〝マルゴク〟巾着です

 この、〝マルゴク〟シリーズはかなりの人気で、ブースの前も沢山の人だかりでした。

 又、巾着の種類も様々なデザイン、形状や大きさもあり、正直どれを購入しようかかなり迷いました…(笑)

 それから、ボクは購入しませんでしたが、〝マルゴク〟シリーズのブックカバーやスマホケース等もあって、皆さんそれぞれ手に取って珍しそうに見ていました

 因みに、この巾着の値段は2000円でした

 果たして、この値段設定は安いのでしょうか、高いのでしょうか…(笑)


 東京拘置所で支給される朝食のふりかけ達


 続きましては、ご覧の通りふりかけの総選挙です(笑)

 ホント、様々な種類のふりかけがありますよね

 これらの〝メンバー〟が、いつ登場するのかと言うと、決まって朝食の時でした

 と、言うのも、小菅ヒルズの朝食は実に質素極まりなくて、朝食のメンバー紹介をすると、まずは不動のセンターである〝麦飯〟、それを支える〝味噌汁〟、そこに日替わりのメンバーである納豆や岩のりやふりかけ(どれか一品)等のおかずが付いてきます

 後、ほんの少しの漬物…たったこれだけです…

 朝食だけに、〝チョウショック〟です(笑)

 一体、これだけのおかずでどうやって一杯の麦飯を食べるんだ、と思いますよね

 でも、これが不思議と食べれちゃうんですよね。(笑)

 ただ、ボクは太りたくなかったので、いつも麦飯は半分しか食べませんでしたが…

 要するに、これらのふりかけがローテーションで登場するのです
 

 ふりかけを買うボク


 この写真の通り、帰りがけに偶然発見したこのブースで、懐かしの〝メンバー〟達が15個で100円と言う破格の安さで販売していたので、思わず買っちゃいました

 右手に籠を持っている通り、色んなメンバー達がドサッと置いてあって、それを自分の好きな味を選んで行くのです

 因みに、この会社は下記の写真の通り、パンに塗る様々なジャムも製作していて、これもメンバー勢揃いだったので、これも思わず購入しちゃいました

 写真の通り、6個で100円でした

 あくまでも、この会社は外部の業者であって、これらのふりかけやジャムは、刑務作業品ではありませんので念の為申し添えておきます…


 東京拘置所で支給されるパンと塗り物


 この写真を見ると、つい数か月前はこの何の変哲もないコッペパンに、これらのジャムを塗って食べていたなと思い出します…

 因みに、小菅ヒルズでは、毎週土曜日の昼食がパン食なので、詰まり月に4回支給されます

 パン好きなボクとしては、もうちょっと回数を増やして欲しいなと思いました。


 さて、以上が今回の矯正展で購入した品物でした

 少ないな、と思われるかも知れません…

 確かにそうかも知れないのですが、実は思いの外高い物は高いんですよね…

 要するに、かなり安い物もあれば、高い物もあって、例えば家具等は〝この値段出すのなら、ニトリかイケアの方がいい物買えるかな〟と、思いました

 だから、一言で言えば〝刑務作業品は一長一短〟って事ですかね


 最後に、全体的な感想としては、非常に面白かった、と言う印象です

 特に、ボクの場合は一歩間違えれば、あの建物の〝中〟にまだ居た訳ですから、それが〝外側〟から、小菅ヒルズのほんの少しの舞台裏を覗けただけでも十分に幸せでした

 まっ、あの〝偽装問題〟はちょっとガッカリでしたが…(笑)

 
 多分、来年も開催されるでしょうから、またボクは足を運びたいと思います

 その際は、是非とも皆さんご一緒しませんか(笑)

 最高の〝生き証人〟が、はとバスのガイドよりも素晴らしいガイドをして差し上げます(笑)


 さて、このタイトルは今日で終わりで、次回は本日これから東京地裁と高裁に傍聴に行くので、その模様をお伝えしたいと思います
 

東京拘置所矯正展 2013 (4)

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 こんばんは

 さて、早速昨日の続きから綴って行きます

 
 今回の矯正展で、ボクが非常に楽しみだった一つに、『ムショ飯体験』と言うイベントがありました。

 これは、読んで字の如く、東京拘置所で実際に収容者が食べている食事を体験する、と言う物です

 このタイトルの一回目の記事に、ポスターを添付しましたが、そこにも結構な大きさでムショ飯の告知が載っていました

 又、このブログにも度々登場する〝N先輩〟も、矯正展の事を知っていて、昨年の矯正展の状況をSNS等で仕入れていたらしく、そこにはムショ飯が大人気で直ぐに完売したと言う情報があったそうです。
 
 と、言う事は、今年も大人気になるだろうから早く行かないと売り切れてしまうと考え、開場時間になったら真っ先にそのブースへと向かいました。

 その状況が、以下の写真です

 
 賑わう人達


 見てお分かりの通り、スンゴイ人ですよね

 これは、開場して直ぐの状況で、左側にある〝プリズンパン〟も同じくスンゴイ人だかりでした

 因みに、プリズンパンは、その名の通り拘置所で実際に収容者が食べているパンを購入出来るのです

 そのパンがこれです(100円。)


 コッペパンとジャム


 見てお分かりの通り、実に何の変哲もないコッペパンです(笑)

 パンの中には、何も入っておらず、学校の給食の時に出されるパンの塗り物を塗って食べるのです

 これと、シチューや〝甘シャリ〟と言う、茹で小豆のどちらか一品が出て、それと一緒に食べるのです

 この甘シャリが、〝中〟に居ると、とてつもなく、とんでもなく、究極に、スペシャル美味しいのです

 皆さんに訊きますが、この写真のコッペパンが、コンビニの菓子パンコーナーに売っていたとして、果たして買いますか(笑)

 間違いなく、絶対に買わないでしょう。(笑)

 誰が好き好んで、何の味も付いていない無機質なコッペパンを買いますか

 しかも、塗り物を自分で塗らないといけないなんて、面倒臭いったらありゃしない

 しかし、当時のボクは、身柄を拘束されている以上、好きな時にコンビニに行けませんから、出される物を食べるしかないので、不思議とこのパンが美味しくなって来ちゃうのです(笑)

 又、経験のある方なら分かると思いますが、このパンをシチューや甘シャリに付けて食べると、これがまたサイコーに美味しいのです

 
 この写真のパンは、ボクの経験上間違いなく収容者が食べているのと同じものです


 何故、こんな事を言うのかは、以下の内容を読めば分かります


 さて、話は戻りまして、当初の予定だった〝プリズン弁当〟を買いに人混みに突っ込んで、何とか手に入れた二種類の弁当がこれです


 弁当のパッケージ
 
 生姜焼き弁当 2
 
 酢豚弁当 2


 プリズン弁当は、二種類あって、酢豚弁当と生姜焼き弁当で値段は500円でした

 写真からも伝わる通り、非常に美味しそうですよね

 
 ところが…。
 

 ボクは蓋を開けて中を見た瞬間に、妙な違和感を覚えました

 一体、何に違和感を覚えたのかと言うと、〝麦飯の麦の分量が異様に多い事〟でした

 これは、実際に小菅ヒルズのご飯を食べた人でないと分からない感覚でしょう。(笑)

 ボクは、「なんでだろ~なんでだろ~(テツandトモ風に)」と、首を傾げながら口に入れてみると、やはり数か月前にB棟11階36室で食べていた麦飯と明らかに違うのです…

 「多分、イベントだから沢山作らなきゃいけないから、分量を間違えたのかな。」とか、勝手に都合良く解釈していたのですが、これが全然検討違いである事を思い知らされます

 それは、何気なく食べている時に見た、弁当の包み紙に答えはあったのです

 写真だと、字が小さくて分かりにくいのですが、そこにはプリズン弁当を作った業者が印刷されていたのです

 ん業者

 と、思った人は実に正常な感覚の持ち主です。

 
 ここで、改めて振り返りますが、このプリズン弁当の意味は、実際に収容者が食べている食事を体験出来るって事でしたよね

 と、言う事は、実際に小菅ヒルズで作っている物が提供されると誰もが思いますよね

 ボクも、おもいっきりそう思っていました

 ところが、プリズン弁当の包み紙を見ると、何だか千葉県の業者の名前が印刷されているんです…。

 つまり、このプリズン弁当は、小菅ヒルズで作っている物を提供しているのではなく、業者が小菅ヒルズの献立を忠実に再現した〝レプリカ〟だったのです

 だから、麦飯の麦の分量が明らかに違っていたのです…

 だって、明らかに〝麦飯〟じゃなくて〝麦麦〟なんですもん。(笑)

 
 これって、明らかにおかしいと思いませんか

 何故なら、告知のポスターにも、実際に収容者が食べているのと同じ物が食べれる、との記載があれば誰もが小菅ヒルズで作っている食事を提供されると思いますよね

 なのに、実際は小菅ヒルズの献立を忠実に再現した〝レプリカ〟なのに、さも本物を謳う様な告知は、今世間を騒がせている〝偽装問題〟ではないですか

 ボクは、正直この事実を知って、肩透かしを食らった様な気分でした。(笑)

 「何だ、本物じゃないじゃん」と。

 
 とは言え、この点は理解出来るんです

 何故かと言うと、拘置所でも刑務所でも、収容者の食事は〝炊場(すいじょう)〟と言う場所で、受刑者が作っているからです。

 そうすると、この日の炊場は、収容者の食事(3食)と矯正展の分の食事を作らなければ行けないので、とんでもない分量を作る事になる為、極めて大忙しになります…

 少なくとも、小菅ヒルズの収容者は軽く2000人を超えてますから、2000人分の食事に加えて、矯正展の分の食事までとなったら、それはそれはとんでもない状況になりますからね…

 だから、ボクはこの状況が理解出来るので、〝レプリカ〟であっても仕方ないかなと思いました。(笑)

 とは言うものの、実際の〝炊場〟で作った食事を食べたかったのは本音です

 多分、この〝弁当偽装〟の事実を知らない人は、あたかもこのプリズン弁当が、実際に小菅ヒルズで出されている物と同じだと思っているのです

 詰まりは、騙されているのです。(笑)

 なのに、皮肉にも、ソッコーで完売していました。(笑)


 そして、写真の〝レプリカ弁当〟を両方食べましたが、実際にボクが小菅ヒルズで食べていたのと同じだったかと言うと、決してそんな事はなくて、なんとなく似ているな、と言う程度でした…

 やはり、〝偽物〟〝本物〟にはなれないと言う結果でしょう。(笑)


 と、言う訳で、今日は矯正展の〝偽装問題〟について、〝バンキシャ〟バリに鋭いメスを入れました(笑)

 
 さて、次回は矯正展でボクが購入した物を紹介したいと思います
  
 

東京拘置所矯正展 2013 (3)

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 こんにちは

 今日も、ちゃんと更新しますよ(笑)

 ホント、今日は雲一つない晴天で、非常に清々しいですね(@^^)/~~~

 ふと、一年前を思い出すと、丁度この頃はこれから綴る東京拘置所の〝中に〟居て、まともに外の景色なんて見れなかったですからね…

 そうなんです。

 実は、東京拘置所こと〝小菅ヒルズ〟では、被告人が収容されている部屋から外の景色は見れません…

 一応、見れなくもないんですが、お風呂を覗かれないようにする為の、斜めになっているルーバーが設置されているので、ほんの隙間からチラッとしか外が見れないので、事実上景色は見れないのと同義です。

 これは、プライバシー保護の為とは言え、何だか腑に落ちませんでした…。

 別に、外の景色位見せてくれたっていいじゃないですかね


 さて、前置きが長くなりましたが、昨日の続きを綴って行きましょう


 職員の入口に貼られた看板

 
 この写真は、正門を入って真っ直ぐ歩いて来た所にある正面入り口で、職員はここから出入りします。

 
 東京拘置所A棟


 この写真の右手に写る、横長の建物が被告人が収容されているA棟と言い11階建です

 その一番上に見える、かまぼこ上のフェンスの下にあるのが運動場です。

 運動場と言っても名ばかりで、3畳位の長方形の部屋がそれぞれあって、下は陸上競技場のトラックの様な柔らかい素材の物が敷いてあり、そこに一人一人入れられてその長方形の部屋を行ったり来たりするのです…

 一応、縄が借りれるので、縄跳びが出来ます。(笑)

 また、この時に爪切りを借りて爪を切ります

 逆に、運動に行かない限り、爪は切れません…。

 平日は、毎日30分運動に出れるのですが、運動に行く行かないは個人の自由です。

 と、言うか、こんなの果たして運動と呼べますか


  東京拘置所A棟とB棟

  東京拘置所A棟


 これらの写真の左手に見えるのが、職員の居る建物です

 なので、被告人が行く事は有り得ません。


 東京拘置所C棟

 東京拘置所C棟 2


 これらの写真の建物は、C棟です

 〝小菅ヒルズ〟では、中央が円柱になっていて、そこからX(エックス)の字の様に放射状になっています

 それぞれの棟に、きちんと区分けがされていて、A棟B棟C棟D棟となっています

 因みに、ボクが居たのはB棟11階36室でした。(笑)

 初めは、9室に居たのですが、半年経った頃に〝転房(てんぼう)〟と、言って部屋を移されるのです

 これは何故かと言うと、同じ部屋に長く居ると、色々と細工をされる恐れがあるからです。

 詰まり、細工をされて万が一脱走されるのを未然に防ぐ為です…。

 尤も、そんな細工が出来る様な物はそもそも部屋に入れられませんから

 だからこそ、〝そんな事ある訳ないじゃん〟と、思いますよね

 ボクも、全くそう思ってました

 しかし、拘置所や刑務所では、その〝万が一〟が起こらない様に、実にバカげていると思う事でも徹底するのです


 東京拘置所の官舎
 
 東京拘置所の官舎 2
 
 東京拘置所の官舎 3


 さて、この場所もこの時じゃないと行けない場所なので触れて行きましょう

 きっと、何でこんな所の写真を撮ったのだと疑問に思ったでしょう

 ここは、矯正展とは全然関係ない、東京拘置所の官舎です

 この道を通って、被告人を乗せた護送バスは裁判所へと向かいます

 又、茶色の建物が官舎なので、小菅ヒルズの職員は徒歩で通勤するのです。(笑)

 通勤徒歩1分位ですから、〝チンタイ〟もビックリな立地条件です。(笑)

  
 東京拘置所の官舎 4


 しかし、良く見て下さい

 結構な築年数だと言うのが、良く分かりますよね…


 さて、今日はこの辺までにして、明日はこの矯正展のメインについて綴りますのでご期待下さい

東京拘置所矯正展 2013 (2) 

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 こんにちは

 11月12日以来のご無沙汰でございます

 このブログ始まって以来の、更新の無さでさぞかし驚かれただろうと思います…

 普段、平日は毎日更新を義務付けているボクとしては、これだけの間更新出来ないのは非常にもどかしかったのですが、これには明確な理由があっての事ですので、どうかご理解下さい。

 一言で言うと、仕事が忙しかった、って事です


 さて、前回は刑務所と拘置所の違いをお話ししました

 そして、本来刑務所ではない東京拘置所が、矯正展を開催する事自体が珍しいと言う話もしました

 実は、ボクは去年の第一回の矯正展は、おもいっきり拘置所の中に居たので参加出来ませんでしたが、当時毎日購読していた日刊スポーツで、『東京拘置所で初の矯正展』との記事が載っていたので、ボクは「へぇ~、東拘でも矯正展やったんだぁ~」と、思っていたのです。

 と、同時に、「一体、刑務所ではない東拘でどんな矯正展をやるんだ」とも思っていました

 何故ならば、前回もお話した様に、東京拘置所は刑務所ではないので、何も作業品を製作していないからです

 詰まり、東京拘置所には『工場』と言う概念がないのです

 だからこそ、余計に興味があったのです

 
 では、早速その中身を紹介する、『東京拘置所アドベンチャーツアー』の出発です

 ここからは、写真を載せて行き、それについて解説して行こうと思います

 東京拘置所の看板

 東京拘置所の看板 2


 これは、東京拘置所の正門になりますが、普段は一般の人は立ち入り禁止になっています

 ですから、こうして写真を撮れるのは実に貴重です

 この正門は、職員が通勤に通ったり、搬入の業者が通ったりと、すなわち関係者しか通る事は出来ません。

 普段の一般面会の入口は、全く別の場所にあるので、必然的にここを一般人が通る事はありません。


 開場前の矯正展


 次に、正門を入って右手に車庫があり、そこが解放されて刑務作業品の販売ブースになっていました。

 そこからの一枚なんですが、この写真の中央に小さく見える着物姿の人が、今回の矯正展のポスターにも載っていた藤原紀香さんです

 いかんせん、開場時間前から凄い人だったので、テープカットの近くまでは行けず、遠目から眺めるしかありませんでした…


 刑務作業品の販売ブース

 
 先程のテープカットの写真を撮ったのが、このブースから撮った物です。


 刑務作業品の販売ブース 2

 刑務作業品の販売ブース 3


 これらの写真の通り、前記のボクの疑問は氷解しました

 それは、他の刑務所で製作した作業品を、東京拘置所で販売していたからです

 これならば、東京拘置所で何も製作していなくても、矯正展を開催できる訳です。(笑)

 東京拘置所で、〝自給自足〟する必要はないんですからね


 賑わう矯正展

 休憩所

 ブースに賑わう人達

 警察犬のシェパード


 
 これらの写真は、ブースで買った物を食べたりする休憩所で常に満員でした

 行ってみて初めて知ったのですが、矯正展には様々な企業のブースが出店していて、例えば地元の自治会や葛飾警察署や消防署、更には銀だこやミスタードーナッツなどの飲食店まで鎮座していました

 尤も、普段買えるようなお店で買おうとは思いませんでしたから、写真にも収めませんでした。(笑)

 でも、警察犬のシェパードはとってもいい子で可愛かったです


 因みに、写真には収めませんでしたが、消防署のブースで〝煙体験〟と言うのをやりました

 これは、四方を囲んだ長方形のテントに煙を送り、火事の際の煙を実体験すると言うものです。

 勿論、何かを燃やした煙は身体に毒ですから、身体に害のない白煙を使用しました。

 いや~、これが思いの外視界が全く見えない見えない…

 コツとしては、体勢を低くして、左手で壁を触りながら少しずつ進んで行くのだそうです

 これは、模擬だとは言え、実際に体験したら非常に恐ろしいなと思いました…。


 又、消防署のブースの傍に、葛飾警察署のブースがあり、そこでは白バイとパトカーに乗って写真が撮れるようになっていて、家族連れが子供を白バイに乗せて、楽しそうに写真を撮っていました

 因みに、ボクもパトカーに乗って、自分が逮捕された時の状況を再現して写真を撮りましたが、恥ずかしいので載せるのは止めておきます。(笑)


 かなり昔に建てられた建物


 この写真の建物は、かなり昔に建てられた物で、普段は特に使用していないそうです。

 この建物の中には、〝開かずの門〟と言うモニュメントがあって、そこで刑務官の制服を着て記念撮影が出来ました


 護送バスが出て来るスロープ

 
 この写真は、東京拘置所の地下に向かうスロープで、ここから被告人を乗せた護送バスが出入りして行きます

 スロープを右に降りて行くと、二車線になっていて、その両方に上下に開閉するシャッターが備え付けられ、高速道路の料金所の様に係員が居て自動で開閉して行きます。

 詰まり、絶対に脱走させない為の措置が徹底的に執られているのです

 また、地下から被告人は護送バスに乗り降りするので、完全に外からは見えないようになっています。

 因みに、護送バスの乗り場の隣にある部屋が、入所時や釈放時に荷物整理をする、〝領置調べ〟の部屋になっています


 さて、今日はこの辺までにしておいて、明日はこの続きをお話しようと思います

 

東京拘置所矯正展 2013 (1)

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 首都高速都心環状線(C2)を、四つ木方面に向かって車を走らせ、千住新橋を過ぎた辺りで左手に見えて来る灰色の無機質なドデカイ建物…。

 東武伊勢崎線(スカイツリーライン)の、小菅駅ホームから見える、やたらとデカイ要塞…。

 小菅駅のホームから見た東京拘置所
 
 小菅駅のホームから見た東京拘置所 2

 東京メトロ千代田線(常磐線直通)で、北千住駅から綾瀬駅に進行し、荒川の橋脚を渡ると右手に見えて来る、灰色の無機質な要塞…。

 
 そう、ここは日本で一番の収容人数を誇る『東京拘置所』です(約3000人居ると言われている)

 
 丁度、一ヶ月前の10月12日に、ボクが7月2日まで住んでいた東京拘置所、ボクの中での別名〝小菅ヒルズ〟にて、

 『第二回東京拘置所矯正展』

 が、開催されました

 
 東京拘置所矯正展


 このイベントは、東京拘置所で年に一回だけ行われるイベントで、普段一般人が立ち入り禁止の場所が解放されて、各刑務所で作成された作業品の販売があったり、東京拘置所で支給されているパンが買えたり等々、様々なブースが出展する〝お祭り〟です

 狙いとしては、東京拘置所と言う物を、もっと身近に知ってもらおうと言うものではないでしょうか

 刑務所では、年に一回刑務作業品が買えるイベントが開催されるのは、結構知られた話ですが、刑務所ではない東京拘置所でこの様なイベントが開催されるのは非常に珍しいのです

 何故なら、東京拘置所は刑務所ではないからです


 と、言うのは、拘置所と言う物の意味を知っている方なら、『そんな事は知っとるわ』と、突っ込みが入りますが、実は意外と刑務所と拘置所の違いを知らない方が結構居るのです。

 これは、ボクが趣味でやっているサッカーのチームメイトと話した時に、多くの人がボクが身柄を拘束されている時に何か作業をしていると思っていたのです…

 
 では、ここで皆さんに訊きますが、拘置所と刑務所の違いは何かと訊かれたら、明確に答えられますか

 
 もし、答えられる方は、法律関係の仕事をしているか、あるいは裁判等に興味がある方ではないでしょうか。

 そうでなければ、まずそんな知らなくてもいい事を知っているはずはないですからね…。(笑)


 では、折角の機会なので、ここで拘置所と刑務所の違いをお話ししておきます

 
 単純明快な答えとしては、刑務作業をするかしないか、の違いです


 まず、拘置所は起訴(裁判になること)された被告人の身柄を収容する施設です

 簡単に言えば、裁判の判決が確定するまでの〝待機所〟と言った所でしょうか。

 この被告人の事を、『未決囚(みけつしゅう)』と、言います。

 これは、読んで字の如く、〝未〟だに刑が〝決〟まっていない〝囚〟人、と言う意味です

 拘置所の中では、俗に〝未決〟と呼ばれていて、基本的には面会も手紙も差し入れも、施設の規定内ならば自由です

 なので、自分でお菓子が購入出来たり、差し入れでお菓子が入ったり、面会も誰とでも出来たり、手紙も自由に出せます(施設によって一日の発信回数に差があり)。


 一方、刑務所は刑が確定した人を収容する施設です

 ですから、刑務作業と言う名の、事実上の強制労働が平日は毎日科されます…

 この受刑者の事を、『既決囚(きけつしゅう)』と、言います。

 これも、読んで字の如く、〝既〟に刑が〝決〟まった〝囚〟人、と言う意味です

 とは言え、刑務所の中では、単純に〝受刑者〟と呼ばれていて、既決囚と呼ばれる事は殆どありません。

 何故かと言うと、刑務所には受刑者しか居ないからです。(笑)

 拘置所は、判決が確定して、これから刑務所に移送する人が居る為、未決と既決が入り混じっていますが、刑務所は既に判決が確定して刑(懲役)を受けている人しか居ませんから…

 受刑者は、未決の時と違い、自由がかなり制限されます…。

 一例を挙げると、面会は基本的に家族や親族のみしか出来ず、月何回までとその人のランク(類と呼ばれる)によって回数が決められていて、手紙も同じくランクによって月に発信出来る回数が決まっています(受信は何通でもOK)。

 面会は、最低ランクで月2回、手紙は最低ランクで月4通です

 ですから、未決の時みたく、誰とでも面会出来たり、毎日の様に誰かに手紙を出せないので相当キツイのです

 因みに、未決の時みたく、お菓子等の食料品は自由に購入できないので、いくら自分の所持金があっても購入できないのです…

 差し入れも同じくで、そもそも刑務所では差し入れの売店にお菓子なんて全く売ってません。(笑)

 なので、拘置所でバクバクお菓子を食べていた人は、相当キツイのではないでしょうか…

 
 要するに、拘置所にしろ刑務所にしろ、同じ身柄を拘束されている状況とは言え、その処遇にはかなりの差異があるのです

 これを読んで、明らかに受刑者の方が処遇は厳しいのが分かりますよね

 ただ、ボクは思うに刑務所では一点だけ拘置所と違って良い所があります

 それは、刑務所ではテレビが観れる事です

 拘置所では、テレビは一切観れず、ラジオ放送だけなのです…

 お蔭様で、ボクはずっとラジオを聴いていたので、すっかりラジオ好きになってしまい、シャバに出てスマホを購入して真っ先にダウンロードしたアプリは〝ラジコ〟でした。(笑)


 因みに、拘置所でも刑務所でも、管理するのは同じ刑務官です

 拘置所だろうと、刑務所だろうと刑務官に差異はありません。


 さて、東京拘置所は、あくまでも拘置所ですから受刑者は何か作業をして製品を作っている訳ではありません…

 東京拘置所にも、受刑者は居ますが、それは未決の食事を作ったり、未決の食事を配ったり、フロアの掃除をしたりと言う〝雑用係〟としての受刑者であって、何か製品を作っている訳ではありません。

 なのに、本来であれば矯正展をやるはずのない東京拘置所が、昨年から矯正展を始めたので結構話題になったのです…

 だから、東京拘置所自体の歴史は古くても、矯正展は今年で二回目なのです


 と、少し冗長になってしまったので、次回は矯正展の中身を紹介したいと思います

 

逆転無罪判決から四ヶ月が経ちました…。

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 こんばんは二日振りでございます

 だんだんと寒くなって来て、今年は久し振りに〝シャバ〟での冬を過ごせるので、ちょっと楽しみでもあるそんな今日この頃です


 さて、今日は毎月恒例の判決〝月〟命日について綴ろうと思います

 このブログを読んでくれている方なら、幾度となく『七月二日に逆転無罪判決を…』と、しつこい位に聞いてるかと思います。

 ですので、七月二日に逆転無罪判決を受け、一年七ヶ月振りに〝シャバ〟へと復活したボクが、毎月二日を〝判決月命日〟と題しまして、振り返るコーナーです。(笑)


 改めて、この四ヶ月を振り返ると、あっという間だったな、と感じます…

 一通りの身の回りの整理も終わり、ほぼ毎日このブログを綴り、趣味のサッカーも少しづつコンディションが戻って来たり、等々…。


 その中でも、十月は特に印象に残る出来事がありました

 それは、このブログでも詳報した、〝二大控訴審初公判〟を傍聴出来た事です

 「内柴事件」と「木嶋佳苗事件」と言う、社会的に注目されている事件を、〝二度も〟相当な倍率の難関の中、傍聴券をゲット出来たのは本当にラッキーでした

 ボクの場合、ご存知の通り控訴審で逆転無罪判決をゲット出来たので、尚更控訴審に深い思い入れがあった為、余計にこの二大控訴審初公判は傍聴したかったのです

 また、既述の通り、控訴審は初公判が事実上の判決、ですからその後の流れを知る為にも、どうしても傍聴したかったのです

 その願いが叶い、ホントにボクは〝持ってる〟なと思いました(本田風)

 この、二大控訴審についてのボクの見解は、既に詳述したので振り返りたい方は過去の記事を覗いて見て下さい

 
 それから、裁判絡みで言うと、10月25日(金)に渋谷のマルゼンジュンク堂書店で、作家の北尾トロさんのトークショーに参加して来ました

 この、北尾トロさんが以前上梓した、「裁判長ここは懲役4年でどうですか」と言う書籍をボクは読んでいたので、北尾さんの名前は良く知っていたのです

 因みに、ボクの見解では、北尾さんは〝裁判傍聴〟と言う物を、身近に感じさせた最大の功労者だと思っています

 その北尾さんが、「傍聴弁護人から異議あり!」と言う、新刊を上梓するのにあたり、弁護士の村木一郎さんとの対談を行うとの情報を、〝佳苗ちゃん〟控訴審初公判をトゥギャザーした〝N先輩〟から教示されたので、『これは面白そうだ』と、思い足を運んだのです

 ボク自身、出版トークショーは人生で初体験だったので、色んな意味で楽しみで、開場の30分前には到着して最前列で〝傍聴〟してしまいまいた。(笑)

 約二時間に亘ったトークショーは、非常に面白く、つい何ヵ月前まで法廷の柵の〝向こう側〟に居たボクとしては、もの凄く『そうだよ、そうなんだよ』と、何度も何度も首を〝赤べこ〟の様に頷いていました。(笑)

 特に、今回の書籍は、裁判員裁判に焦点を当てたもので、裁判員裁判が開始してから三年以上が経ち、様々な問題点等が議論されているので、それらの点についても話は及び、二時間のトークショーはあっという間に終了しました

 そして、終了後には即席のサイン会が開かれて、ボクもちゃんと書籍にサインをしてもらい、その際にボクの逆転無罪の件を話したら、北尾さんは『えっ本当に』と、ビックリされていました。(笑)

 『逆転無罪を経験した人なんて、会った事がない。』

 とも、仰っていて、刹那でしたがお話し出来て楽しかったです

 また、その時にボクの名刺を差し上げて来ました

 
 そうですそうなんです

 ボクは、このブログの〝ブログ名刺〟を作っちゃったのです。(笑)

 少しでも、ボクの魂のブログの存在を知ってもらおうと作ってみました

 なので、欲しい方は連絡下さい

 勿の論、〝無料〟です(笑)


 それから、まだ事情があって書けないのですが、ボクの逆転無罪になった原因の一つに、検察がボクにとって有利な証拠を隠蔽していたのですがその隠蔽していた証拠を掴んだのです

 この点について、本当は書きたくて書きたくて仕方がないのですが、色々な事情があってまだ書けないのです…

 その、〝色々な事情〟も、事情があって書けないのです。(笑)

 しかし、必ず書きますのでちょっと待っていて下さい


 と、何だかんだとバタバタした〝シャバ〟での四ヶ月目でした


 改めて、思うのが〝自由ってホントにホントに素晴らしいって事ですね


 余計なお世話ですが、皆さんもごくごく当たり前の日常に感謝しましょう

 そうすれば、嫌なことも些細なことに感じれるはずですから…。


 さて、次回は少し前に行った、東京拘置所矯正展について綴ろうと思います
 

木嶋佳苗控訴審総括。

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 さて、全14回に亘ってお話して来た〝佳苗ちゃん〟控訴審初公判も、今回で一旦終了します

 当初は、数回の予定だったのですが、思いの外あれも書こうこれも書こうとなっていき、気付いたら14回にもなってしまったのが現状です…(笑)

 だって…。

 〝元〟同じマンションの住人同士で、彼女が逮捕される前にエレベーターで出くわしたり、彼女が24時間体制で埼玉県警から監視されていた時も、ボクは〝逆〟職務質問をしてそれを見破っちゃったんですからね。(笑)

 なので、書く内容が沢山あったので、むしろこれだけの回数になってしまったのも必然なのかもしれません…


 では、〝佳苗ちゃん〟控訴審初公判のマスコミ各社の報道はどんなものだったのか、ちょっと引用してみたいと思います

 (ヤフーニュース)

 首都圏連続不審死事件で、婚活サイトで知り合った男性3人を殺害したとして殺人や詐欺などの罪に問われ、一審さいたま地裁の裁判員裁判で死刑とされた木嶋佳苗被告(38)の控訴審第1回公判が17日、東京高裁(八木正一裁判長)であった。弁護側は改めて無罪を主張。検察側が追加の鑑定を行うことが決まった。公判には木嶋被告も出廷した。
弁護側は控訴趣意書で、男性らは自殺や失火で死亡した可能性があると指摘し、「状況証拠を総合しても、木嶋被告が犯人であることは立証されていない」と主張した。検察側は控訴棄却を求めた。
 弁護側は新たに、遺体で発見された大出嘉之さん=当時(41)=の体内に残っていた尿が少ないことを自殺の根拠に挙げた。検察側は殺害された時に失禁したからだとして、証明のため大出さんの着衣の鑑定を請求し認められた。
 一審判決は、現場にあった練炭や遺体から検出された睡眠薬と同種のものを木嶋被告が持っていたことなど、複数の状況証拠から犯行を認定。「極めて重大で非道な犯罪を3度も繰り返した」と非難した。


 と、言う内容の報道が殆どでした。

 何故、ボクが控訴審初公判の報道を敢えて引用したのかと言うと、この内容だけで、果たしてボクがこれまでブログで綴って来た内容が読み取れましたか、と言いたいからです

 ボクは、こうしてブログを書いている以上、ここでしか知り得ない情報を発信したいので、他のサイトでも見れる内容と同じでは、このブログの存在意義がありませんから、こうしてマスコミの報道だけでは分からない細部を掘り下げたいのです

 だから、どうしても一つの事件に対して記事が冗長になってしまうのです

 なので、どうかご理解下さいませ。(笑)


 改めて、〝佳苗ちゃん〟控訴審初公判を振り返って見えて来たのは、やはり高裁も慎重になっているのだな、と言う印象です…

 仮に、控訴棄却するにせよ、殆どの控訴審で初公判で結審して次回判決の棄却パターンではなく(内柴事件みたいに)、〝一応〟双方の証拠調べ請求は認めるけれども、結局控訴棄却なのかな、と思っています

 同じ控訴審でも、一審で死刑判決が下されている事件と、ボクみたいに懲役何年と言う事件とは明らかに性質が違うとボクは考えます…。

 レベルではなく、ラベルが違うと言うか…。(笑)

 なので、想定外のパターンが考えられる為、予測がなかなか付かないのが正直な所です…

 とは言え、無罪主張をしている(ボクは、していた)者同士、刑のレベル(ラベル)は違うけれども、控訴審で無罪主張をして見事逆転無罪を勝ち取ったボクとしては、〝佳苗ちゃん〟の控訴審の結末は〝控訴棄却〟じゃないかな、と思っています

 いくら、完全否認して無罪主張をしていて、直接証拠はなく状況証拠による事実認定だったとしても、一審判決が全面的にひっくり返るとは思えません…。

 あるとすれば、一審の事実認定と異なる判断がなされるとしても、結論(死刑)は変わらないのではないでしょうか。

 詰まり、〝佳苗ちゃん〟にとっては厳しい闘いになるのは間違いないと言う事です

 ただ、前回もお伝えした通り、裁判と言う物は〝生き物〟ですから、今後どんな展開になって行くかは、特に死刑事件については誰も予想が付かないので、楽しみではあるのも事実です

 勿の論、ボクも一ジャーナリストとして、〝佳苗ちゃん〟控訴審をしっかりと追い掛けたと思うので、次回期日も傍聴に行きますから続報を楽しみにしていて下さい


 話は法廷に戻って、今回は内柴事件とは違い、初公判が終わると被告人が退廷するのを傍聴人が見届けるのではなく、先に傍聴人が退廷する措置が執られました

 『傍聴人は退廷して下さい。被告人はそのまま座ってていいですよ。』

 と、裁判長が告げると、傍聴人はちょっと拍子抜けした様子でゾロゾロと立ち上がり、出口へと向かいました

 きっと、傍聴人の皆はボクも含めて、〝先に帰るのかよ〟と、思っていたに違いありません。(笑)

 だから、傍聴人の動きがなんとなく鈍かったのです。(笑)

 その際も、傍聴人の殆どが、被告人席に鎮座する〝小太りババア〟こと〝佳苗ちゃん〟の姿を逃すまいと〝ガン見〟しながら出口へと向かって行きました。

 中には、一人の女性が柵の傍まで近付いて、〝佳苗ちゃん〟の顔を覗き込んでいて、その光景は異様でした…

 その際も、入廷の時と同じく、法廷の柵の前に裁判所職員が4人立って、〝佳苗ちゃん〟に危害を加えないようにと見張っていました

 この時の佳苗ちゃんは、被告人席に鎮座しながら、傍聴人の好奇の視線を上目使いで追っていました

 何か、おどおどした様に見えました

 因みに、ボクは退廷する際、〝佳苗ちゃん〟としっかり眼が合い、

 『佳苗ちゃん、久し振りだね以前、ニューシティーレジデンスのエレベーターで、君が引っ越しの片付けをしている時に逢ったボクだよ覚えてるかい

 と、胸奥で念じましたが、果たして彼女は以前エレベーターで逢ったボクだと気付いたでしょうか…。

 絶対に気付いてないでしょうね。(笑)


 ホント、相当な厳戒態勢の中初公判は終了しました


 さて、彼女は今、ボクが7月2日まで住んでいた〝東京拘置所〟の二階に居ます

 何故、二階だと分かるのかと言うと、東京拘置所では二階は〝女区〟(じょく)と言って、女性専用の舎房だからです

 きっと、〝大物〟(ガタイではなく事件が)ですから、独居房に居るでしょう

 そこで彼女は今、何を思い、何を感じながら日々過ごしているのでしょうか…。

 迫り来る〝死〟への恐怖心か、それとも無罪を信じて自分を鼓舞しているのか(ボクはそうでした)…。

 一体、〝佳苗ちゃん〟は何を思っているのでしょうか…。


 さて、次回は少し過ぎちゃいましたが、毎月恒例の〝判決命日〟についてお話したいと思います

 

検察側の予想外の鑑定請求。

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 ここ最近は、法律的で専門的なお話が続いていましたが、ボクが〝佳苗ちゃん〟控訴審傍聴記を語る上では、どうしても外せない為、敢えて触れさせてもらいました 

 
 さて、神山弁護人の〝甲高い声〟による、大変素晴らしい朗読が終わると、裁判長が、

 『検察官は陳述の方は

 と、〝ワントップ〟の検察官に訊くと、

 『いえ、ありません。』

 と、淡々と返答する検察官…

 これは、極めて妥当な回答です。

 何故なら、検察は控訴していないからです

 詰まり、検察としては一審で求刑通りの判決(死刑)をゲット出来ている以上、不服なんてある訳はないので、そもそも控訴する理由がないのです。

 ですから、控訴趣意書を殊更陳述する必要性はない為、前記の検察官の回答は至極妥当なのです


 続けて、裁判長は、

 『弁護人より、事実取調べ請求がされていますが、検察官のご意見は

 と、検察官に問うと、

 『いずれも不必要と考えます。』

 と、返答しました。

 弁護側は、当然反証する戦法として、新たな証人尋問の請求、新たな鑑定の請求等、いくつもの証拠調べ請求をして来ました

 これは、ボクも確実に予想出来ました


 ところが、次の裁判長の発言で、ボクの中で疑問符が湧きました…

 『検察官からも事実取調べ請求がありますが、弁護側のご意見は

 と、裁判長は弁護側に問うたのです。

 これ、どう考えてもおかしくないでしょうか

 何故なら、検察側は控訴していないからです。

 詰まり、検察側としては納得のいく判決(死刑)をゲット出来た以上、新たな証拠調べをする必要はないと言う事です

 にも拘わらず、この期に及んで新たな証拠調べ請求をして来たので、ボクとしては『何で、殊更証拠調べをする必要があるの』と、思ったのです…

 どうやら、検察側の証拠調べ請求は、弁護側が遺体で発見された被害者の一人大出嘉之さん=当時(41)=の体内に残っていた尿が少ないことを自殺の根拠に挙げたのに対し、検察側は殺害された時に失禁したからだとして、証明の為に大出さんの着衣の鑑定を請求したのです。

 要するに、新たな鑑定の請求です。

 この請求に対して、弁護側は同意し、裁判所もこの請求を認めました

 
 そして、裁判長は、

 『その余は、留保します。』

 と、弁護側の証拠調べ請求の採否は、この鑑定結果が出てから決めるとの事で、初公判当日には採否は分かりませんでした…

 同じく、次回期日についても、この日には決まらず鑑定結果が出てから追って指定されると裁判長から告げられて、控訴審初公判は終了しました

 まとめると、

 ①初公判では予想外に検察側から証拠調べ請求があった(死因の鑑定)。
 ②それを裁判所が是認し、弁護側の証拠調べ請求の採否は留保。
 ③次回期日は鑑定結果が出てから追って指定。

 と、言う結果となりました


 では、この結果をボクの経験則から言うと、

 『佳苗ちゃんにとって、有利かどうかはまだ分からない…』

 のが現状です

 何故かと言うと、裁判所は控訴審において、新たな証拠調べ請求があった場合、弁護側の請求は殆ど却下するのに対し、検察側の請求は殆ど是認するからです

 ですから、いくら控訴審で新たな証拠調べを認めたからと言って、これが直ちに〝佳苗ちゃん〟にとって有利かと言えば極めて不明です…

 むしろ、控訴していない、検察の証拠調べ請求を是認する位ですから、〝佳苗ちゃん〟にとっては不利と言えるかも知れません…

 これが、逆にボクの時の様に、弁護側の証拠調べ請求を是認したのならば、か、な、り、面白い事になって来ます

 しかし、現時点ではその採否は留保なので、何とも言えません…

 と、言うかボクの経験上、証拠調べ請求をして、その採否が保留の時は事実上の却下なので、おそらくは弁護側の証拠調べ請求は却下されるのではないでしょうか…。

 とは言え、まだどうなるか分かりませんし、つくづく裁判というものは〝生き物〟ですから今後の展開は誰にも予測出来ないでしょう

 特に、一審で死刑判決、すなわち〝生きるか死ぬか〟と言う〝命〟が懸かっている場合はその傾向が顕著なのではないでしょうか。

 正直、ボクは先程〝経験則〟なんてカッコつけた事を言いましたが、ボクの場合一審で死刑判決を受けて逆転無罪になった訳ではなく、懲役二年六月の実刑判決から逆転無罪にしたので、〝佳苗ちゃん〟事件とは本当の意味での比較は出来ないでしょう。(笑)

 とは言え、〝控訴審〟と言う括りでは、ボクは控訴審を受けたその辺の人とは一味も二味も違いますから、逆転無罪の〝先輩〟として意見を述べさせてもらっている次第です。(笑)


 さて、次回は〝佳苗ちゃん〟控訴審初公判についての総括をしたいと思います

弁護人の巧みな主張。

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 前回は、状況証拠について身近な例を挙げてお話ししました

 簡単におさらいすると、状況証拠とはそれ自体が直接犯罪事実を証明している訳ではないが、間接的に犯罪事実を証明していると思料される証拠、でしたね

 〝浮気〟の例で言えば、浮気を疑うメールはそれ自体では浮気した事を証明している訳ではないが、間接的に浮気をしたのではあるまいかとの推認を抱かせる証拠であるという意味です


 では、この例え話と〝佳苗ちゃん〟事件とがどう絡んでいるのか


 それは、〝佳苗ちゃん〟の一審判決はこの例え話で言うブス子からのメールで浮気をしたと認定されてしまったのです

 当然、〝佳苗ちゃん〟本人は「浮気なんかしていナッシー」と頑強に否認しているのにも拘らずです

 勿の論、実際の佳苗ちゃん事件では、数々の状況証拠を積み上げて事実認定がなされているので、例え話で言うメールの存在だけで、有罪(死刑)になった訳ではありません…

 しかし、どれもこれも佳苗ちゃんが殺したと言う直接的な証拠は存在しないんです…

 例えば、自殺をしたと言う直前まで一緒に居たとか、自殺に使われた練炭が〝佳苗ちゃん〟の部屋(ニューシティーレジデンス1404号)から同じ物が出て来たとか、インターネットの履歴から自殺に使われた練炭と同じ物を購入していたとか…等々。

 ここには、書ききれない位の数々の〝怪しい状況〟が積み重なって、〝佳苗ちゃん〟は三人の男性を殺害したと〝推認〟され一審で死刑判決を受けたのです

 
 ボクは、状況証拠だけで事実認定をする事に、非常に疑問があります

 何故なら、〝疑わしきは罰せず〟の理念と相反するからです。

 〝疑わしきは罰せず〟とは、刑事訴訟法の基本的理念で、簡単に言うと疑わしいだけでは有罪には出来ない、と言う意味です

 ザックジャパン、あっ、ザックバランに言えば、〝こいつ怪しいな〟だけでは有罪に出来ない、と言う意味です。(笑)

 しかし、現実は〝疑わしきは罰する〟と言うのが現状で、〝こいつ怪しいな〟だけで有罪とされてしまうのです…。

 ですから、〝佳苗ちゃん〟事件の場合、数々の〝怪しいな〟を積み重ねられて犯人と認定されたのです

 そうすると、既述の〝疑わしきは罰せず〟の理念と矛盾していると思いませんか

 だって、刑事訴訟法の基本理念は怪しいだけでは有罪にしちゃいけませんよ、と言っているのに〝佳苗ちゃん〟の一審判決は、怪しいから有罪ね、とされたからです。

 ただ、勘違いして欲しくないのは、ボクは〝佳苗ちゃん〟の味方でも何でもありません

 あくまでも、元同じマンションの住人とは言え、中立的な立場で意見を述べているだけです。(笑)


 これは、敢えて言うまでもなく、刑事裁判の立証責任は検察官にあり、検察官が被告人が犯人であることを合理的な疑いを超えて証明できれば有罪となり、それが出来なければ被告人は無罪です。

 状況証拠をいくら積み上げても、反対事実の存在の可能性を許さないほどの確実性を持った証明に達しなければ、被告人を有罪としてはいけません…


 この点の矛盾について、神山弁護人は平成22年の最高裁判例を引用しながら、〝佳苗ちゃん〟事件と当てはめながら論述して行きました

 改めて、最高裁判例を振り返ると、

 『状況証拠によって認められる間接事実中に、被告人が犯人でないとしたならば合理的に説明することができない(あるいは、少なくとも説明が極めて困難である)事実関係が含まれていることを要するというべきである』

 でしたね
 
 この判例を、神山弁護人は、
 
 『被告人が犯人だとすると、説明が極めて困難な事実が存在し、反対仮説も否定出来ない
 
 と、極めて分かり易く前記の最高裁判例と絡めて読み上げて行きました

 ボクは、この論述を傍聴席で聴いていて、『ホント、上手いな』と感嘆していました


 そのせいか、裁判長を始め三人の裁判官は、神山弁護人が読み上げる書面にしっかりと目をやって文字を追い掛けていました

 内柴事件の時は正反対で、裁判官達は書面には目もくれず、ボケーッと椅子に座っているだけでしたから、明らかにその状況を見ているボクとしては、この裁判官達の姿勢に驚きを隠せませんでした

 と、同時にボクは、『この裁判官達の様子から、ちょっと面白い展開になるかも知れない…』と直感しました

 そして、このボクの直感は正しかった事が証明されました…。


 さて、次回は裁判所は弁護人の控訴趣意書を聴いて、一体どのような判断を下したのかをお伝えします

状況(情況)証拠とは?

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 こんにちは三日振りの再会でございます

 皆さんは、三連休はいかかがお過ごしでしたか

 ボクは、11月3日の文化の日に府中刑務所の文化祭に行って参りました

 その模様は、別の機会にじっくりとお伝えしたいと思います


 さて、前回は非常に込み入った所で終わりましたが、今回も専門的なお話になるかと思うので、通勤中の時間潰しに是非ともご活用下さい(笑)

 
 『状況証拠』


 と言う言葉、きっと耳にした経験はあるのではないでしょうか

 今日は、この状況証拠について簡単に、身近な例に例えてお話ししたいと思います

  
 何故、ボクが状況証拠についてお話しするのかと言うと、ご存知の方も多いかと思いますが、〝佳苗ちゃん〟の一審判決はこの状況証拠の積み上げによって有罪とされたからです。

 ですから、この状況証拠の意味をなんとなくでもご理解頂ければ、より〝佳苗ちゃん〟事件を深く知る事が出来るし、更に〝佳苗ちゃん〟一審判決の問題点も分かると思うので、お話ししようと思った次第です…

 そうする事で、〝裁判〟と言う物をもっと身近に感じれるのではないかと思うのです。


 では、〝状況証拠〟とは何かと言うと、

 間接事実(主要事実を推認させる事実)を証明する証拠を、間接証拠(情況証拠・状況証拠)という。例えば、刑事訴訟において、被告人を犯行時刻前後に犯行現場付近で目撃したという証言や、動機の存在を示す証拠は、その証拠それ自体が直接要証事実を物語っているわけではないが、「被告人は犯行時刻前後に犯行現場付近にいた」、「被告人には動機があった」といった間接事実から、被告人がその犯行を行ったという要証事実を推認する根拠となるから、間接証拠となる。間接証拠は状況証拠とも呼ばれるが、状況証拠という語は間接事実を指す語として使われる場合もあるなど、多義的に用いられるため注意を要する。(参考文献 ウィキペデイア)

 と、言う意味です。

 さて、分かりましたか(笑)

 要するに、〝これ怪しくねぇ〟と言う証拠で、その証拠のみで犯罪事実を証明している訳ではない、と言う意味です


 身近な例でお話ししましょう

 きっと、皆さんに非常に分かり易い〝男女問題〟、その中でも〝浮気問題〟を例に採ってみましょう

 
 ここに、旦那の浮気を疑っている妻のA子さんが居ます。

 ある日、旦那の行動に疑いを持ったA子さんは、旦那がお風呂に入っている間隙を縫って、旦那のスマホを横にスライドさせて、メールの履歴を隅々までチェックします

 するとそこには、〝ブス子〟と言う女性からメッセージが届いており、

 『こないだは、とっても気持ち良かったわぁホント、私の身体はピザのチーズの様にすっかりとろけしまったわ…早くあなたに逢いたいな

 と、言う内容のメールが届いていました

 これを見たA子さんは、お風呂から上がってビールのCMの様に、ホッピーをグイグイと喉に流し込んでいる旦那に向かって、脱兎の如く駆け寄り、

 『あんた、このメッセージは何よ何が、ピザのチーズ様にとろけたよ一体、どんなとろける事をしたのよ

 と、旦那のスマホを突き付けます

 すると、旦那は、

 『じぇじぇじぇ

 とは、言いませんでした。(笑)逆に、極めて冷静に、

 『あっ、それは知り合いの女の子にマッサージしてくれって頼まれたから、ちょっとやってあげただけだナッシー

 と、切り返されてしまいました…

 
 これが、〝状況証拠〟です

 
 意味分かりますか

 詰まり、浮気をしたいたのではあるまいかと言うメールの存在があっても、浮気そのものを証明している訳ではない、と言う意味です

 確かに、前記のメールの内容は、極めて黒に近いグレーでしょう

 と、言うか現実問題として、あんなはっきりとした内容のメールがあったのなら〝クロ〟でしょう。(笑)

 しかし、ここで問題なのは、旦那本人が浮気を認めない限り、すなわち〝自白〟しない限りは単なる〝怪しい証拠〟にしか過ぎないのです。

 逆に、旦那が〝自白〟した場合はこのメールは〝補強証拠〟へと〝昇格〟してしまうのです


 ハッキリ言って、旦那とブス子がベッドの上で愛撫し合っている現場を目撃する(滅多にないが、矢口さんの様な…)しか、旦那に浮気を認めさせる方法はないでしょう。

 だって、仮にラブが付くホテルから、二人が出て来る所を待ち伏せして詰め寄ったとしても、旦那にシレっとさっきの様な弁解をされてしまってはどうしようもないからです…

 尤も、『素直に謝れば許してもらえるかも…』と、軽々とちょっと詰め寄られただけで〝自白〟してしまうバカな男もいるので、このメールだけでも強力な証拠になるのも事実ですが…。

 ですから、探偵を使って浮気の証拠を掴んで離婚を有利に進める、等と言って旦那の素行調査をするのは、あくまでも〝状況証拠〟の積み上げに過ぎないのです

 その状況証拠で回りを固めて、有無も言わせないのが素行調査の一番の目的です。

 なので、あくまでも前記のメールは、旦那が浮気を認めない限りは単なる〝怪しい証拠〟にしか過ぎないのです

 
 ここで、ボクは声を大にして言いたいのが、〝まぐわっている現場を現行犯逮捕されない限り、浮気は認めてはならないと、言う事です(笑)


 その理由は、既述の通り現行犯じゃない限り、メール等の証拠は単なる〝怪しい証拠〟であって浮気そのものを証明している訳ではないからです
 
 なので、過去に浮気問題で痛い経験がある方は、是非とも参考にして下さい(笑)


 さて、話がちょっと逸れてしまいましたが、状況証拠の意味はなんとなくご理解頂けたのではないでしょうか


 次回は、この例え話と〝佳苗ちゃん〟の事件とを絡めてお話ししたいと思います

 あっ、メール削除しとかないとな…(笑)

事実誤認。

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 さて、前回は弁護団の控訴の趣意の一つ目についてお話ししました。

 訴訟手続きの法令違反…。

 正直、この手の法律論の主張は、まず通らないと思った方がいいでしょう…


 しかし、弁護団の主張はこれだけではありません

 と、言うか現実問題として、もう一つ目の〝事実誤認〟の方が一番の主張でしょう

 だって、〝佳苗ちゃん〟は一貫して、

 『犯人は、私じゃナッシー

 って、仰っているんですから。(笑)

 なのに、一審判決は『犯人は、佳苗ちゃんだナッシー』と言ってるんですから、その点は断固として違うよ、と主張するのは最早当然でしょう


 そして、いよいよ控訴の趣意の〝メインディッシュ〟である事実誤認の主張に移って行きました

 結論から言ってしまうと、極めて素晴らしい主張だった、と言う事です

 では、一体何がどう素晴らしかったのか

 その点を、お話ししますが、ここからは前回同様おもいっきり法律的な話になって行きますが、是非ともお付き合い下さい(笑)


 まず、神山先生は過去の最高裁判所の判例を持ち出して来ました

 多分、この時点で裁判とかに全く縁がない人は、〝最高裁〟〝判例〟と言う言葉で意味が分からなくなっているでしょう…(笑)

 なので、簡単に説明すると、最高裁判所は司法権を担当する司法における最高機関で、全ての裁判所は、最高裁判所の下に置かれ、唯一の終審裁判所として、上告及び特別抗告について裁判権を持つ。

 詰まり、その字の如く、日本で最高の裁判所で全国に一つしかありません

 ここを頂点として、ピラミッド型になっているのです。

 そして、この最高裁判所で作られるのが〝判例〟で、判例は、「先例」としての重み付けがなされ、それ以後の判決に拘束力を持ち、影響を及ぼす。その根拠としては、「法の公平性維持」が挙げられる。つまり、「同類・同系統の訴訟・事件に対して、裁判官によって判決が異なることは不公平である」という考え方である。

 (※参考文献 ウィキペディア)

 詰まり、基本的には最高裁判所の判例に、一審や控訴審の判決が倣うようになっているのです。

 簡単に言うと、最高裁判所が日本で一番偉くて、そこで色々な判例が作られて行き、高裁や地裁がその判例を一つの目安とする、と覚えれば良いかと思います


 さて、話は戻りまして、神山弁護人は過去の最高裁判例を幾つか持ち出して、その判例と〝佳苗ちゃん〟一審判決とを照らし合わせて、『一審判決の事実認定はおかしい』と、力強く読み上げます

 その中でも、ボクが〝実に素晴らしいと思った内容があるのでお話しします


 神山弁護人の、事実誤認の主張の中で平成22年の最高裁判例が出て来たのですが、それは、

 『状況証拠によって認められる間接事実中に、被告人が犯人でないとしたならば合理的に説明することができない(あるいは、少なくとも説明が極めて困難である)事実関係が含まれていることを要するというべきである』

 と、言う判例を引用して来ました

 この判例は、有名な『平野母子殺害事件』の最高裁判決の一部で、状況証拠によって事実認定をする際の新たな基準となった画期的な判決なのです

 この事件は、被告人の夫に〝死刑〟が求刑されていましたが、紆余曲折の末、平成24年3月15日に差し戻し審の大阪地裁で〝無罪〟判決が下されました(詳細は、リンクから覗いて下さい。)

 実は、ボクはこの判例を神山弁護人が読み上げた時、『あ~、あの判例かぁ』と直ぐに分かりました

 それは何故かと言うと、ボクが東京拘置所の独房に居る時、冤罪事件の請負人である『今村核(いまむらかく)』弁護人が上梓した、『冤罪と裁判』と言う書籍を読破したからです

 いかんせん、身柄を拘束された経験がある方なら分かると思いますが、勾留中はスマホでサクサクっと〝ググる〟なんて出来ませんから、情報源は専ら『本』のみなので、ボクはその手の本はかなり読み漁りました

 そんな中で出合ったのが、前記の『冤罪と裁判』と言う書籍で、ボクは穴が開くんじゃないかと思う位刮目して読みました

 その中に、前記の事件の概要から最高裁の判例まで解説してあったので、ボクの、容量が極めて少ない〝脳内メモリー〟にインプットされていたのです

 
 さて、前記の最高裁判例、意味分かりますか(笑)


 もう一度記すと、

 『状況証拠によって認められる間接事実中に、被告人が犯人でないとしたならば合理的に説明することができない(あるいは、少なくとも説明が極めて困難である)事実関係が含まれていることを要するというべきである』

 です

 どうでしょうか(笑)

 『あ~、分かる分かる』と、思った方は実に頭の良い方です

 と、言うか、何で裁判所の判決ってこうも回りくどいと言うか分かりづらい言い回しをするのでしょうかね

 ボクは、つくづくそう思っていますよ

 これ、間違いなく〝裁判あるある〟でしょう。(笑)


 では、この実に分かりづらい判決を解説すると、状況証拠のみで犯人性を認定するためには、①被告人が犯人だとすれば全ての状況証拠を矛盾なく説明出来るだけでは足りず、②被告人が犯人でないとすれば状況証拠を説明しえないことが必要であり、他の仮説によってもそれらが説明可能ならば、被告人が犯人であるとの証明はされていない、というものです。(参考文献 冤罪と裁判)

 これで、何となくはご理解頂けたのではないでしょうか(笑)

 ここで、何度も出て来る〝状況証拠〟と言う言葉、これもまたこのテーマだけで余裕で一冊の本が書けてしまう位奥が非常に深いので、次回分かり易く解説したいと思います。